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# テルモ

注射器、血液バッグを作る「100年企業」のすごい秘密

テルモ・佐藤慎次郎社長が語った

1921年に医学界の偉人・北里柴三郎氏らが発起人となり設立。体温計、注射器、血液バッグ、カテーテルなどの医療機器を製造・販売するテルモを取材した。売上約6000億円、海外売上比率約70%の世界的企業を率いる社長は佐藤慎次郎氏(59歳)だ。

事業はスピードが命

当社がもうすぐ創立100年を迎えられるのは使命に忠実だったからと考えています。創業後に良質な国産体温計を普及、'60年代にはそれまで使い回しだった注射針を当社がディスポーザブルに変え、医療の安全性向上に貢献しました。

また'70年代以降は患者さんの体の負担を減らせるデバイスを次々開発しています。その一つがカテーテル(細い管状の医療機器)です。これにより開胸手術が必要だった心臓疾患も、症状によっては、日帰りで治療ができるようになっています。

当社はバブル期も設立当初と変わらず、医療分野を軸に据えコアテクノロジーを鍛えてきました。この地道な歴史が今をつくっています。

 

私はまったく別の業界出身で、たまに話すと驚かれます。でも自分の持ち味がどこで活きるかは、10年、15年働かないとわからない気がするのです。

大学卒業時はグローバルで働くことに興味があり、外資系の石油会社に就職しました。しかし次第に石油業界が成熟化していく中、よりチャレンジングな仕事をしてみたくなったのです。

新たな職場にはコンサルを選びました。経験もなく、思うような仕事はできませんでしたが、社会人21年目にテルモに転職すると、海外経験や、財務や交渉に関する知識を活かすことができました。今思えば、私のようなジェネラリストのタイプは、自分の中にある多様性を様々なコンビネーションでアウトプットしてこそ活きるのかもしれません。