マグニチュード6クラスの地震が海底で頻発
さて、冒頭の警告に戻ろう。平井氏はここ数か月、各地震観測網データの異常値を頻繁に観測しているという。また、マグニチュード6クラスの地震が、日本列島近海の海底で頻発しているのも、大きな不安要素だと語る。
「地震解析ラボが行うのは短期予測ですから、マグニチュード6クラスの地震が○か月以内に起きるとか、そういった中・長期の予測をここで言うことはできません。ですが、1週間以内の予測が出たらその時は発表しますので、ぜひ、注視いただきたいですね」
すでに南海トラフ巨大地震は、今後30年以内に、70~80%の確率で発生すると言われている。
また、首都直下型地震も、同時期に70%の確率と起こるとされている。こうした巨大地震の危機に晒されながら、地震予測を積極的に活用しようという機運は日本では高まっていない。地震予測の精度が今後さらにたかまることに期待したい。
■世界の地震予測例(「地震解析ラボ」HPより) https://www.usatoday.com/story/tech/nation-now/2018/08/31/harvard-google-team-up-ai-predict-earthquake-aftershocks/1155203002/ ハーバード大学がグーグルのアシストで正確に余震を予測するアルゴリズムを開発。 https://phys.org/news/2017-10-machine-earthquakes-lab.html ケンブリッジ大学・ロスアラモス国立科学研究所・ボストン大学の共同研究でマシンラーニングを使用して、地震の前にキャッチできる音響信号を利用してラボ内での地震予測に成功。
地震予測ではないが、首都直下地震が起きた際の被害予想や防災の仕方、経済に与える影響について触れた電子書籍「首都直下地震」が、発売された。5人の専門家による研究と提言は、必読である。巨大地震は、いつ起きても不思議ではない。