中身のない研修に使う交通費と時間

また、様々な名目をつけて、何千人もが一堂に集められる研修にかかる交通費もバカになりません。ぼくはよく「ラリホー(RPGゲームで登場する眠らされる呪文)」と呼ぶのですが、眠らない方が難しいと思えるくらいにつまらない、内容の乏しい研修、伝達のための研修があります。これは新人の頃から謎でした。学校に子どもたちを残しながら、わざわざ電車とバスに乗って遠くまで出かけていくわけです。

それなのに、中身がない。
これほどのお金の無駄遣いはないとぼくは思っています。
しかし、なぜかこの研修を水戸黄門の印籠のように、大事に続けているんです。教育行政に関わる方々には優秀な方が多いのですが、ことこの研修に関しては本当にセンスがありませんでした。
 
このように、学校の中には削るべきものがいっぱいあることをぼくは10年間の教員生活の中で実感していました。これをスクラップしようとしないため、子どもはもちろんのこと、学校の先生たちも時間に追われ苦しくなるのです。

「どうしたら時間を作れますか?」

東京都の教師になってからというものの、ぼくは三鷹市でキャリアの一歩を踏み、小笠原諸島は母島、そして、品川区と異動し、最後は三鷹市に戻りそのキャリアを終えました。
そのいく先々で、常に職場の仲間たち、特に新人として着任してきた若手の教師たちからはよくこんなことを聞かれました。
 
どうしたら、休み時間に子どもたちと遊べますか?
 
「校庭に行くだけだよ」

そう答えると、彼らは首を傾げ困ったような表情を浮かべるのです。
 
なぜなら、同僚たちはぼくが宿題のチェックやテストの丸つけ(採点)をいつしているのか、合点がいかないからです。
基本的に宿題や丸つけは、朝や放課後の時間にするか、空き時間や隙間の時間にしています。空き時間とは、音楽や図画工作など専科の先生方が授業してくれている時間です。隙間の時間とは、子どもたちがテストを受けている時や、黙々と読書や調べ学習をしている際の、わずかな時間のことです。
 
時間は与えられるものではなく、作り出すものだよね――後輩たちにそんな話をすると、校庭に出て遊ぶ先生が少しずつ増えてきました。
効率的に作業し、休み時間は外で子どもと遊ぶ。これをぼくは「勝ちパターン」と呼んでいました。休み時間の外遊びが子どもに良い影響をもたらすことはこの連載でもお伝えしましたが、教師側にも大きなメリットがあります