子どもたちの興味の種をまくことが自主的な学びにつながる――自らが宿題もやらない小学生時代を送り、高校時代に「興味」を持ったことよって猛勉強を始めた経験をもつ森田太郎さんは、そんな思いで公立小学校の教師になった。そして「タロー先生は型破りだけど、子どもたちが猛然と勉強に取り組む」と話題になっていた。

それから13年。公立の枠にとらわれず、もっと「興味の種」をまくべく、森田さんは三鷹にある話題の「探究学舎」に転職。現在はここで人気講師として働いている。13年全力でやってきて、いまなお大切にしている教育について伝えていく、FRaU Web連載「タロー通信『風のとびら』」、今回は余裕のない教師たちにも子どもたちにとって良い学びのために、「公立小学校で変えられること」を提案してもらおう。

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教師はプログラミングの専門家じゃない

学校は「何でも屋」ではありません
国語、算数、理科、社会、体育、道徳を教えて、さらに、総合的な学習の時間に、英語、プログラミングまで、これを教えられる先生がいるのか?ぼくはスーパーマンだと思います。

そう考えると、学校で「アウトソーシング」というシステムが有効に機能しないところに、致命的な課題があるとぼくは思っています。
英語をはじめとする語学教育やプログラミング教育は、本当に上手に教えられる専門家を雇ってその人たちに教えてもらえるようにすればいいと思います。ほかにも部活動やクラブ活動、総合的な学習の時間はアウトソーシングが望ましいと考えます。

英語の授業で、日本人の先生が間違えた英語を教えていたという冗談のような実話もある。デジタルネイティブの子どもたちにきちんと教えるにはプロが必要。教師がさらに新しいことを学んで授業をするなら、それこそが過重労働の原因になる Photo by iStock

こういう話をすると、管理職の方々に「じゃあ、予算は?」と突かれますが、ぼくはこう答えていました。

読みたいという興味がそそられない研修用の冊子や、さまざまな服務事故、例えば、体罰、セクハラ、無断欠勤などの再発防止のためのパンフレットにかかるお金を削減すればかなりのお金が生み出せますよ、と。

学校には、毎年、分厚い冊子がたくさん送られてきます。文部科学省、東京都、各市区町村が作成した冊子です。印刷、製本だけでなく、作成に関わる費用と、全教職員分(東京都であれば約7万人)の費用や、郵送料などなど相当な費用がかかります。