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「4次元」の感動的な世界、誰でもすでに「基礎」として知っています

「高次元」はSFだけの話ではなかった
4次元の世界では、ひもを握ったままほどくことができる?
計算ほとんどなしで、4次元の図形を見たり作ったり体験したりできる新刊『高次元空間を見る方法』著者・小笠英志氏の特別エッセイをお届けします!

「高次元」や「4次元」と聞いて

この記事を読まれるみなさんなら、「高次元」や「4次元」、「異次元」という言葉を科学入門書やSF小説、マンガ、アニメなどで聞いたことがあって、それらに興味を持っていることでしょう。

SF小説や映画で「高次元」「4次元」というと、宇宙が歪んでいるとか、テレポーテーションができるとか、時間旅行が可能だとか、なんだか不思議なことと関連して出てきます。

御存じの方も多いと思いますが、「高次元」「4次元」というのは、世界中の研究所で研究されていますし、世界中の多くの大学の1~2年で習います。小説や映画に登場する高次元や4次元の不思議な話の中には、実際に真面目に研究されていることも、けっこうあるのです。

「宇宙旅行をして帰ってきたら未来だった」というのはSFの定番ですが、これなどはアインシュタインの相対論に基づく話です。わずかな時間のずれですが、本当に相対論の予想通りに起こると実験で示されています(多くの科学者がそう信じています)。

また、この宇宙は、本当は10次元や11次元ではないかということも、超弦理論で本気で議論されています。

実際に体験するのがいちばん

ところで、たとえばスポーツや音楽などで興味のある活動があったとして、それがどんなものか知りたいと思ったら、みなさんはどうしますか? 

そうです。実際に少しやってみるのがいちばんです。

ということで、高次元の図形を作ったり動かしたり見たり、体験するきっかけとなるような例を、すこしお話ししましょう。

くわしくは、いくつか専門的な言葉を用意してからでないと説明できませんので、ここでは、ごくごく大雑把にSF調で話していきます。

我々が暮らすこの世界で、ひもが結ばれていたとします。図0.1のように、ひもの両端の片方を右手で、もう一方を左手で握っているとします。このとき、ひもから手を離さないで、持っている位置も動かさず、ひもをほどくことはできるでしょうか?

小笠英志図0.1

ここで、「ほどく」というのは、図0.1の状態から図0.2の状態に、ひもと手と体の
どれかが、ひもと手と体のどれかに交叉することなく持っていけるという意味です。

小笠英志図0.2

これは、ほどくことはできません。

しかし、もしも4次元があって、その4次元を使うことができれば、なんと両端の手を離さずに、ひもをほどくことができるのです。

では、4次元で「結ばれる」ということは?

4次元では、このようにほどけてしまうのであれば、今度は、「4次元や高次元では『結ばれる』という概念はないのか?」と問うのは自然なことでしょう。

この問いに対する答えは──「実はあります」。