「正しくあれ」。そうハワイの人が「アロハ」と同じくらい言う理由

見失った自分を取り戻す秘訣
平良 アイリーン プロフィール

「ポノ」という考え

空港に着いてすぐのイミグレーションで入国審査官たちの手元にあるマグカップ、ワイキキビーチにいるサーファーが乗っているサーフボード、ローカルたちが行くようなこじんまりしたカフェやレストランのトイレ、そして通りすがりの幼稚園や小学校の入り口に、大抵は可愛らしい虹のイラストやスマイルマークとともにその文字が書かれています。

 

PONOの語源を調べると、「正しさ」という意味になります。なぜそれがハワイの人に日常的に使われているのか、ハワイの人々にとってのポノとは何なのだろう、そう思って家族代々ハワイのカイルアという土地で暮らしているポーラ・クオオカ・ウォンさん夫妻に、その意味を訊ねてみたところ、

「私たちハワイの人間が、どんなときもストレスや問題によって自分を見失わないでいるために、小さなころから親や先生、地域を通じて交わされ続けてきた、合言葉のようなものよ」

と優しい笑顔で教えてくれました。具体的にどんなときにそれが使われるのかを訊くと、ポーラさんのご主人のジョナサンが教えてくれました。

「子供が家でお手伝いをしなかったり、お友達と喧嘩したり、お年寄りにきちんと挨拶できないとき、動物や植物のお世話を怠けるときに、周りの大人がBe Pono(ビーポノ)と言うと、たいてい子供たちはすぐハッとして態度を改めるね。もちろん大きくなってからも、なんとなく怠けて道にゴミを捨てたりしている人に私たちはBe Ponoと声をかける。親友が何かに悩んで自分らしさを忘れているときも、Be Ponoと言って励ましつつ、本来の自分に戻るようにサポートし合うんだ。悪い気持ち、誠実ではない状態というのは、何か心の中にゴミが溜まってしまって自分を見失っているだけ、だから、PONOの状態に戻れば問題はなくなるさ、とお互いを励まし合うんだよ」