〝1ヵ月に35日雨が降る〞屋久島を訪れたのは植物好きのアートディレクター黒田益朗さん。緑に苔むした屋久杉の森を歩き、キュートな子鹿やウミガメに出会ったら、ワイルドすぎる海中温泉も体験! 悠久の時と雨に育まれた、美しい水の島へ。

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豪快な瀑布が目前に!
屋久島は〝水の島〞だった

真っ白な水の塊が、高さ88mの岩肌を一気に流れ落ちる。〈大川の滝〉は、その水量の多さも滝の高低差も九州有数だ。水しぶきが顔にかかるほど傍まで近づけるのもワクワクする。/大川の滝 鹿児島県熊毛郡屋久島町栗生 ☎0997-43-5900 (屋久島町観光まちづくり課)

次に向かったのは、南西部の海岸近くにある「大川の滝」。豪快な水しぶきをあげて 88mの高さを一気に流れ落ちるその姿は、ダイナミックのひとことに尽きる。

圧倒されつつも少し離れた岩場から眺めていたら、近くに座っていた 地元の男性が、「こっちの岩づたいに、滝壺の近くまで行けますよ」と声をかけてくれた。アドバイス通りに進むと、瀑布がドーンと目の前に。風が吹くと顔に水しぶきがかかる。深呼吸をすると、体のすみずみまで水が行き渡る。細胞が生き返るようだ。

「水音だけでスーッと涼しくなる。屋久島は水の島なんですね」

地魚の寿司からカメノテなどの屋久島名物まで。〈寿し いその香り〉。11:30~14:00(L.O.13:30)、 18:00~22:00(L.O.21:00)。火、水曜昼定休(臨時休あり)。/寿し いその香り 鹿児島県熊毛郡屋久島町安房788-150 ☎0997-46-3218

こうして島の緑と水を堪能したあとは、地元の食いしん坊も絶賛する安房の海鮮料理店〈寿し いその香り〉へ。さっそく壁に貼られた品書きに目をやると、「カメノテの蒸し焼き」に「首折れサバ」……ちょっと待って。なんですかそれ。

「首折れサバは、水揚げする時にサバの首を折って血抜きしたもの。鮮度を保つためにあみ出された屋久島独自の漁法から、この名がつきました」と、注文をとりに来たお姉さん。それじゃあ、と鮨を頼み九州の甘い醤油でいただけば、ぷりっぷりで新鮮で、思わず追加!のおいしさだ。

 亀の手みたいな見た目に皆がおじけづいたカメノテも、殻を割って貝のような中身を食べるとふんわり潮の香りがして、まあ旨い。屋久島の森の軟水を使った“屋久島焼酎”の杯 が、それはもう、ぐいぐいと進んだ。