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離婚した年収900万円の会社員が「連れ子」とまで関係解消したワケ

元妻からの連絡がきっかけ
露木 幸彦 プロフィール

連れ子との「離縁」

しかも、宏さんはもともと連れ子との関係も良好ではありませんでした。養育費はしっかり払っているのだから、それ以上の財産まで渡したくはないというのが本音だったと言います。

そこで宏さんは遺言書を作成するにあたり、「連れ子との離縁」という条件を元妻に提案したのです。

〔photo〕iStock

離縁すれば宏さんと連れ子は戸籍上他人なので法定相続人から外れます。その結果、実子の相続分が4分の1から2分の1に増えるのですが、宏さんの自宅の持ち分を実子がすべて相続しても元妻の希望(自宅に住み続ける)は実現できるでしょう。

養子が未成年の場合、養父の同意のみで離縁することが可能です。一方、養子が成人している場合、養父だけでなく養子の同意も必要です。とはいえ「縁を切りたい」という申し入れを、宏さんが亡くなるまで拒み続けるのは現実的ではありません。

 

離縁によって連れ子が姓の変更を強いられると困りますが、養子縁組から7年が経過している場合、役所へ申し入れれば(戸籍法73条の2)養子は養父の姓を名乗り続けることができます(民法816条の2)。一度(元妻の最初の夫。実父)ならず二度も父親に捨てられた連れ子の心境を察すると余りありますが、最終的には元妻が連れ子を説得し、宏さんは離縁届の受理を見届けた上で遺言を作成しました。

2016年の養子縁組は78,000件ですが、一方で離縁は24,000件です(法務省調べ)。養子縁組の3割は離縁するという計算で、じつは決して珍しいことではないのです。

夫婦の一方もしくは両方が再婚のケースを「ステップファミリー」といいますが、結婚全体に占める割合は40年で2倍以上に増えています(昭和50年は12.7%、平成27年は26.8%、厚生労働省の人口動態統計)。宏さんのようなトラブルはステップファミリーの増加に比例するでしょうが、将来的に後悔するのを防ぐには届け出をする前に養子縁組についてより深く知っておくことが大切でしょう。