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ビジネスと人生を豊かにする鍵は「感動」にあった!

幸福経営のトレンド
好評発売中の前野隆司著『感動のメカニズム:心を動かすWork & Lifeのつくり方』(講談社現代新書)。本日は、その第1章「感動の時代がやってきた」の抜粋を特別公開。感動学の第一人者が教える、人生もビジネスも豊かにする最先端のトレンドとは?

感動のないビジネスや人生なんて!

感動、してますか?

私は、感動の研究をしています。

もともとはロボットの研究者でしたが、心の哲学、倫理学、幸福学の研究者を経て、最近は感動や満喫や共感やフロー(時を忘れるほど没頭してパフォーマンスを発揮する状態)の研究もしています。

なぜか。

感動のある人生は、豊かだからです。

言い換えれば、感動しないと、人生はつまらないからです。

さらに言うと、製品やサービスを開発する際に、これからは、人を感動させることのできるものを開発すべきだと思うからです。

広辞苑によると「感動」とは「深く物に感じて心を動かすこと」とあります。意外と難解なようですが、要するに、心を動かされることですね。

つまり私は、心を動かされる人生や、心を動かされる製品やサービスの開発が必要だと思って、感動の研究をしているというわけです。

 

製品やサービスの開発の際に、なぜ感動が重要なのか。時代背景も含めて、もう少し詳しいお話をしましょう。

二〇世紀は、効率化、合理化に基づく発展の時代でした。戦後の三種の神器(テレビ、冷蔵庫、洗濯機)に始まり、自動車、電気製品、コンピュータ、携帯電話など、便利で快適な製品やサービスが市場を席巻した時代でした。大量生産・大量消費時代。ある程度、画一的でもいいから、便利なモノを、より安く。

もちろん、一部の高級品市場や、一部のマイノリティ向けのニッチ市場もありました。しかし、時代の大きな流れとしては、効率化、合理化に基づく少品種大量生産・大量消費時代でした。

これに対し、二一世紀に入った頃から、もっと個を見直しましょうよ、という気運が高まりました。ニーズ志向、顧客満足、人間中心設計、アジャイル開発、デザイン思考、ユーザーエクスペリエンスといった潮流です。ユニバーサルデザインやインクルーシブデザインも似た流れですね。

ユーザーの多様化やグローバル化に伴い、これらを考慮しないとモノやサービスが売れない時代がやってきた、ということが背景にあります。