ペイペイ、大規模キャンペーンでも「人気いまいち」な意外すぎる理由

スマホ決済の真実
鈴木 貴博 プロフィール

「経済合理的」に行動しない人たち

さらにびっくりしたことは、スマホ決済のレジでも現金で買うひともいますし、スマホ決済を使っているお客さんの約半数がLINE Payで支払っているのです。

LINE Payでは前月までの利用金額でその人のLINEスコアが決まり、そのスコアの良い人は最大で5%の還元を受けられます。さらに8月後半にはオーケーストア限定の200円割引のクーポンが送られていて、その日は多くの人がLINE Payで支払いをしていました。

〔photo〕gettyimages

しかし経済合理的に考えてみるとこの行動は疑問です。私は5000円の買い物をペイペイ(PayPay)で決済して1000円分を節約しました。しかしもしこの日、LINE Payだったら200円割引でかつ5%オフですから450円しか得をしない

にもかかわらず同じような金額の買い物をする人たちが目の前でLINE Payを使っている。まったく経済合理的な行動をとっていないという現実に直面したわけです。

 

計算をしてみたのですが、前述の買出しの分を除いた、純粋に私の家計目的でのオーケーストアの買い物はこの1ヶ月半で計4回、3万円ぐらいの出費になっていました。20%オフ分を計算すると、ソフトバンクの孫さんから私に6000円分のお小遣いをいただけたのと同じです。

そしてレジで私の周囲にいたひとたちは経済合理的に行動すれば同じくらいのお小遣いが手にはいったはず。でもこの時間帯、PayPayで決済している人の比率はざっと目視確認をした範囲で言えば約2割。大多数のひとたちは経済合理性の面で正しくない行動をとっているわけです。これは行動経済学的に考えても謎といっていいのではないでしょうか。

そこで私なりにこの理由を説明することにしました。

ペイペイ(PayPay)はこれまで100億円あげちゃうキャンペーンなど大規模なキャンペーンを続けることで、わずかな期間で700万人を超える会員を獲得してきました。知名度もスマホ決済では1番高いブランドのひとつです。