ペイペイ、大規模キャンペーンでも「人気いまいち」な意外すぎる理由

スマホ決済の真実
鈴木 貴博 プロフィール

「一物一価」は成立しない

古典経済学ではすべての消費者は経済合理的な行動をとるために商品の価格は一物一価になることを前提にしています。たとえば近所でプレミアムモルツが147円で買える場所があるならばわざわざ別の店で80円も高い227円で買う消費者などいないはずだという仮定を置きます。

今回のペイペイ(PayPay)のキャンペーンに参加してみて「それにしてはみんなが経済合理的に買い物するわけではないシーンが多いのはなぜだろうか?」と疑問がわきました。少しずつ順を追って説明していきましょう。

 

そもそも大きなくくりで見れば一物一価は成立しません。私たち経営コンサルタントはこの価格形成についての経験則やデータをたくさん持っています。たとえばブランドです。

味の素のマヨネーズが特売で248円、キユーピーのマヨネーズが324円で売っていたとします。私なら安いほうを選びますが、高くてもキユーピーを選ぶ人は結構いるはずです。

市場シェアの高いブランドには固定客がいるものです。この価格差ですが、一物一価の議論とは違う、二つ違う物を比べた結果、消費者の行動も違うのだと捉えます。その人にとってキユーピーのほうがブランド力が上だったから高いほうのマヨネーズが売れたわけです。

〔photo〕gettyimages

「安売りしている商品は品質が低いかもしれない。なるべく高いほうの商品を買うことにしている」という心理が働く人もいます。

マヨネーズに棚にはプライベートブランドのマヨネーズが178円で売っているかもしれません。でも品質が違う商品だと消費者が認識しているから価格が高い商品を買っていく人は当然たくさんいらっしゃいます。

同じ商品でも説明がしづらいへんな現象が起きます。