2019.10.05
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ウイスキーを飲みながら、野口英世の偉業に思いを馳せる

タリスカー・ゴールデンアワー27回(前編)

シマジ: でも野口英世は稀有な天才肌ですよね。

西村: そうですね。外国語も独学で学び、英仏独の3ヵ国語で会話が出来ました。

シマジ: 何たって野口英世の最終学歴は高等小学校ですからね。大学の医学部にも行かず、ちょこっと予備校に通っただけで、ちゃんと医術開業国家試験に合格するんですから、天才的頭脳の持ち主だったのでしょう。

西村: 野口の偉業は、日本の医学界に失望してアメリカに単身渡り、ロックフェラー財団の医学研究所に勤め、梅毒のスピロヘータを発見したことでしょう。

シマジ: 持ち前の強運で、ロックフェラー医学研究所が財力に物を言わせて、購入していたドイツ製の最新の顕微鏡が優れていたことも幸運だったんでしょう。そして驚くべきは、野口は3回もノーベル医学賞の候補に選ばれているんです。

西村: でも野口はノーベル医学賞をもらわなくてよかったとぼくは思いますね。その後ことごとく彼の発見が覆されていくわけです。南米の黄熱病には効いた「野口ワクチン」ですが、アフリカで黄熱病が大流行したときは効かなかった。そして野口自身、アフリカに乗り込んで研究しているうちに黄熱病にかかり、51歳の若さでこの世を去ることになる。

シマジ: 自分で「野口ワクチン」を打っているのに黄熱病にかかって死ぬんですから皮肉ですね。最期の言葉は英語で「I don't understand」と言ったそうです。「わたしにはわからない」と。

西村: たしかに南米ブラジルで効いた「野口ワクチン」は南米の風土病には効果覿面だったのですが、風土病と黄熱病はちがっていたのでしょう。

ボブ: お話の途中ですが、ここら辺でひと休みして、「モートラック12年」というシングルモルトを飲んでいただきましょうか。スペイサイド地方のダフタウンという街にある蒸留所で、「2.81回蒸留」という特殊な蒸留法が特徴です。力強い味わいから「ダフタウンの野獣」と称されています。ほら、ここを見てください、ラベルにも書かれています。

シマジさん、もう一度だけ乾杯の音頭を取ってください。

シマジ: 何度でもやりますよ。スランジ!

一同: スランジバー!

西村: こうしてモルトウイスキーを加水して飲むと、アルコールの刺激が弱まるから香りと味がよくわかりますね。これは美味い。2.81回蒸留ということですが、さきほど飲んだタリスカーは何回蒸留なんですか。

ボブ: タリスカーは2回蒸留ですね。スコットランドのモルトウイスキーは2回蒸留がほとんどです。

シマジ: そのように正当性から逸脱したところにモートラックの個性が現れていんじゃないですか。たしか『モルトウイスキー・コンパニオン』でもマイケル・ジャクソンが80点以上の高得点をつけていたはずですよ。

西村: これは美味い。もう1杯いただきたいですね。どことなくスモーキーさがあってしかもフルーティな味もします。

ボブ: お褒めをいただきありがとうございます。どうぞどうぞ、何杯でもお代わりしてください。

シマジ: ボブ、この「モートラック12年」は一本いくらするの。

ボブ: 7000円です。

シマジ: この味で7000円は安いと思うね。伊勢丹サロン・ド・シマジのバーにもおきましょう。

ボブ: ありがとうございます。

〔撮影協力〕BAR STING

〈後編につづく〉

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飲酒は20歳になってから。
妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
お酒は楽しく適量を。
飲酒運転は法律で禁止されています。
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西村眞(にしむら・まこと)
1939年生まれ。出版社勤務を経て、パリで発行されていた「LUI」日本版編集長をはじめ、各社十一誌の月刊誌編集長を歴任。その一方で歴史の古書、稀書を閲読し、国内外の史跡旧蹟を訪ねて、英傑偉人たちの足跡と生涯をたどった。その間、各誌に「謎の日本史外伝」「美しい国の雪月花」「戦後・あの日、あの時」など多数を連載。著書に『東京哀歌』『ボスの遺言』『日本人、最期のことば』などがある。
島地勝彦(しまじ・かつひこ)
1941年、東京都生まれ。青山学院大学卒業後、集英社に入社。『週刊プレイボーイ』『PLAYBOY』『Bart』の編集長を歴任した。柴田錬三郎、今東光、開高健などの人生相談を担当し、週刊プレイボーイを100万部雑誌に育て上げた名物編集長として知られる。現在はコラムニスト兼バーマンとして活躍中。 『甘い生活』『乗り移り人生相談』『知る悲しみ』(いずれも講談社)、『バーカウンターは人生の勉強机である』『蘇生版 水の上を歩く? 酒場でジョーク十番勝負』(CCCメディアハウス)、『お洒落極道』(小学館)など著書多数。
ロバート・ストックウェル(通称ボブ)
MHDシングルモルト アンバサダー/ウイスキー文化研究所認定ウィスキーエキスパート。約10年間にわたりディアジオ社、グレンモーレンジィ社、他社にて、醸造から蒸留、熟成、比較テイスティングなど、シングルモルトの製法の全てを取得したスペシャリスト。4ヵ所のモルトウイスキー蒸留所で働いた経験を活かし、日本全国でシングルモルトの魅力を面白く、分かりやすく解説するセミナーを実施して活躍しています。