世の中には2種類の会社がある。「いまだにFAXを使っている会社」と「FAXを廃止した会社」だ──。
メールやクラウドストレージ、AirDropなどなど。今の世の中は、こんなにもIT関係の技術が発達しているのです。その中にあって、特に必然性もないのにFAXを使った手続きを惰性でしている会社は、もしかしたら黄色信号かもしれません。
ITオンチのあなた! 岡嶋裕史氏の新刊『いまさら聞けない ITの常識』(日経文庫)を読んで、身近なところからIT化を推し進めてみませんか?
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御社は「アリバイ工作」してませんか?
まだFAXを使っていますか?
すべての業務には目標があり、その目標を達成するために業務組織や業務手順を改革します。
その改革の中に、機械化やシステム化が含まれてくるわけです。何十年も前から言われていることですが、目標がしっかり定まっていないのにもかかわらず「取りあえず最新の機械を導入する」アリバイ工作としてのシステム化がいまだに行われています。
日本の業務環境におけるアリバイ工作好きは、皆さんが日常的に目にするところだと思います。
たとえば、セキュリティがそうです。
受容水準も決まっていない中で、取りあえずやっているふりをする、何か起こったときに「やむを得ませんでした」と記者会見で言うためだけに行うセキュリティ対策があります。
災害時などにおける出社もそうでしょう。日本中でかなり計画運休が根付いてきました。突然の運行停止で社会を混乱させないための良い施策だと思います。ただし、運休明けの混乱はまだ続いています。これは鉄道会社の頑張りでどうにかなるたぐいのものではありません。
今まで止まっていて輸送すべき人が滞留している状態で運行が再開となれば、何をどうやっても地獄絵図のような激混み列車になることは約束された事実です。

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実際問題として、早朝に家を出て、会社に到着するのが午後になるような環境で出社したとして、その日にたいした質や量の仕事がこなせるとは思えません。
危険を冒して超満員の列車で押し合いへし合いしながら出社するくらいなら、その日は休んだほうがいいと思います。
そんなことは私などが指摘するまでもなく、みんなが理解しているはずですが、「取りあえず勤労意欲を見せるために」、「後ろ指をさされないために」会社に顔を出す儀式が続けられています。