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日銀の「量的質的緩和政策」は本当に限界を迎えつつあるのか

「ディビジア指数」からみた有効な方策

日銀による金融政策の現状

9月17、18日のFOMC(米国FRBによる連邦公開市場委員会)に続き、9月18、19日には日銀の金融政策決定会合が開催される。

FOMCでは25bp(0.25%)程度の利下げが予想されている。一方、日銀会合では、政策変更なしが市場のコンサンサスになっているようだ。本コラムが掲載される頃にはFOMCの結果は判明しているが、日銀会合の結果が判明するのは当日の昼頃である。

米国FRBが利下げを実施するのであれば、円高予防的に日銀がマイナス金利の「深掘り」を行っても不思議ではない。だが、ECBによる追加緩和(マイナス金利の深掘りであったが)後も為替市場に大きな波乱はなく、ドル円レートは、1ドル=107円台後半から108円台前半と安定的に推移しているので、日銀の追加緩和に対するインセンティブはそれほど高くないのではなかろうか。

このような目先の政策対応の話はさておき、このところ、日本銀行が市場から買い取っている国債の額が減少してきている。これは、「ステルス・テーパリング」などと揶揄されているが、これをきっかけに日銀の「量的質的緩和政策」の限界を指摘する声が高まっている。その一方で、日本のインフレ率は一向に上昇する気配はなく、インフレ目標実現ははるか遠くである。

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従来、「量的質的緩和政策の波及経路が曖昧な上、そもそもデフレは金融政策ではどうにもならない構造的なものである」というのが、日銀がながらく政策発動を渋っていた理由であった。

だが、量的質的緩和政策が採用された2013年4月以降、しばらくの間は、インフレ率は想定以上に順調に上昇していたことを考えると、もっと早く「QQE(量的・質的緩和)政策」をやっておけば今頃インフレ率は目標値に達し、ひょっとしたら出口政策を議論できていたかもしれない。

 

だが、現実は、目標には程遠いインフレ率にもかかわらず、日銀は、「量」の側面から徐々に距離を置き始めたように見える。そして、2016年の「マイナス金利政策」、及び「イールドカーブコントロール政策」の実施となり、事実上、「量」の部分の重要性は後退したかに思える。

このような金融政策の現状について、多くのリフレ政策支持者は歯がゆく思っているのではなかろうか。また、数字の上では日銀が国債を購入する余地はまだあるようにも思える(例えば、3月末の「資金循環勘定」によれば、国債発行残高に占める日銀保有分の割合は約46%であった)ため、「日銀の国債購入量は足りない」という批判も根強い。

だが、筆者は、この「量的質的緩和政策」問題の本質は、国債の追加購入の余地のあるなしではないと考える。

債券市場の現状等を考えると、もはや、単純に国債の購入によって「量」を増やしたところで、当初のQQE政策のような効果をもたらすことができるとは思えない。日銀の国債購入については、オペによる購入「量」だけをみるのではなく、同時に、その「質」をチェックしなければならない局面に来ていると思われる。

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