アプリで治療スケジュール調整と
検査結果確認が可能

台湾のコウノトリ生殖医療センターの手続き・書類は日本人向けに標準化されており、また、日本語が話せる専任スタッフも数人いるので、大抵の疑問は日本にいながらメールのやり取りで済ませることができる。実際に台湾に赴かなければいけない回数を最小限にする配慮もなされており、海外での不妊治療というハードルを下げてくれている。

日本語の資料が整備されている 写真提供/新垣りえ

また、来院初日に病院のアプリをインストールするよう薦められ、それをしてしまえば、治療毎の金額明細、諸々の検査結果、次回予約・今後の治療スケジュール、卵子の受精・培養結果など、必要な情報とデータが随時アップされる仕組みになっている。スケジュール調整と直前の予定変更が頭痛の種となる働く女性にとっては大変ありがたく、このあたりも日本での不妊治療で経験してきたこととは大分違う印象である。

コウノトリ生殖医療センターのアプリのトップ画面

私が日本で通っていた専門医院では、卵子の受精・培養結果と凍結結果はそれぞれ病院側に指定された日時にこちらから電話をかけて確認する必要があった。また、検査結果などは来院して医師から直接聞く必要があり、専門性に裏打ちされた丁寧な説明をありがたく思う一方で、スケジュール調整と病院での待ち時間にヤキモキすることも多かった。

なぜこんなに前向きで明るいんだろう?

台湾のコウノトリ生殖医療センターでの対応がなぜ常時こんなに前向きで明るいのか、と違和感に近い不思議な感覚から抜け出せずにいた。私同様に卵子提供を受けにこられている女性は、多くの場合、その前に自己卵子での不妊治療を相当回数経験していると推察できる。

40歳を越えてから妊娠・出産したいと考え始めた夫婦にとっては、卵子提供は早くから視野に入れる選択肢なのかもしれないが、現代生殖医療においては他の選択肢が尽きた場合にたどり着く最後の治療であり、本質的に「わくわく楽しい」だけのものではないはすなのだ。それなのに、病院スタッフの発言や態度は常に前向きで明るい。それに影響されてか、病院待合室では患者同士の楽しそうな会話や、診察室の中から笑い声が聞こえてきたりする。