2019.09.20
# 週刊現代

日本の畜産壊滅か…!? 豚コレラ「殺処分と拡大阻止」の壮絶な現場

ついに関東まで感染拡大
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脾臓や腎臓が送られてくる

次々と感染が疑われる豚が出たことで検査機関も対応に追われ続けている。東京・小平にある農研機構・動物衛生研究部門の「海外病研究拠点」。

ここはウイルスが外部に漏れないように壁を5層構造にした施設で、今も連日のように全国から検体が送られてくる。

全国の家畜保健衛生所による一次検査で陽性となると、この海外病研で、詳細な遺伝子解析やウイルス分離が実施される。

検体として送られてくるものは様々で、豚やイノシシの脾臓や腎臓、血清などが密閉容器に入れられ、冷蔵状態で郵送されてくる。この1年間でなんと約2000もの検体を受け入れてきたという。

媒介元と考えられる野生イノシシは、岐阜県内にとどまらず、豚コレラウイルスを撒き散らしていった。豚コレラに感染した場合、イノシシも最後は苦しみ、もがきながら死んでいく。

その際、瀕死のイノシシが水を求めて川や池などの水場に現れ、そこで死亡するケースが少なくないという。すると、ウイルスが水場に流出し、爆発的に広がっていってしまうのだ。

 

豚コレラの拡大は止まらず、関東にまで到達した。この9月15日、本誌記者が埼玉県秩父市を訪れると、養豚場に続く国道の真ん中で白い防護服に全身を包んだ警備員が立っていた。そのさまは、さながら事故直後の福島原発周辺と変わりない。

「半径3㎞以内は立ち入り禁止になっています。この道は通れません」

時折、通行禁止区域に、作業者を乗せたと見られる車両が入っていった。この養豚場では、感染発覚からの3日間で753頭の殺処分が行われたという。9月17日には埼玉・小鹿野町でも、県内で2例目の豚コレラの感染が発覚している。

埼玉のとなりには、豚の飼育数全国5位、約61万2000頭を抱える群馬がある(畜産統計'18年版)。

さらに、関東には全国4位の千葉(約61万4000頭)、同6位の茨城(約55万2000頭)といった「養豚県」が存在している(岐阜は約10万6000頭)。これらの県に飛び火した場合、被害は桁外れの規模になってしまう。

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