2019.10.18
# 飲料

キリン『本麒麟』、ここへきて「若者に大ウケ」している意外な理由

当事者が明かしたその全舞台裏
長浜 淳之介 プロフィール

パッケージデザインも、キリンのオーソドックスな左右対称のシンメトリーなデザインを取り入れ、ネーミングが真ん中にあって、その上に麒麟が配されている。商品の佇まいからして本格派である。

このパッケージで決定するまで、100種類以上のパターンを試したという。

蓋の色はビール類の場合、爽快感を出すため銀色を使うケースが多いが、コストは多少かかっても赤いパッケージに合う金色を採用している。

「CMでも店頭でも、赤を見た瞬間に皆様が本麒麟を想起し、旨いやつだと思ってもらえる商品に育てたい」と永井氏は、ロケットスタートから定着への戦略を練っている。

 

起死回生の一打

さて、ここで今一度、新ジャンル、第三のビールが生まれた背景から「本麒麟」登場まで、歴史を振り返ってみよう。

1990年代、バブル崩壊によって日本経済が変調をきたし、給料が右肩下がりになってくると、ビールが飲みたくても使えるお金がない国民が増えてくる。そこで提案されたのが発泡酒で、麦芽比率を25%未満に下げれば、酒税法上のビールのカテゴリーを外れて3分の2くらいの価格で販売ができた。

しかし、03年の法改正で発泡酒の税率が上がり、350ml缶で小売価格10円ほどの値上げを余儀なくされた。これを機にビールメーカー各社は、より酒税率の低い飲料の開発に向かい、新ジャンルと言われる商品群が生まれたのだ。

先行したのはサッポロである。04年に発売したサッポロ「ドラフトワン」は麦芽の代わりにエンドウたんぱくを使っており、麦芽を入れずにビールの風味を追求した画期的商品の出現で、新ジャンルの幕を開けたと言えよう。価格も1割強安くなった。500ml缶ともなれば、ビールより新ジャンルは100円ほど安く、強いインパクトを持った。

それに続いたのが、キリンだった。05年の大豆たんぱくを使ったキリン「のどごし<生>」を発売。長らくこの分野でトップブランドに君臨する絶対王者となった。

しかし、2010年には、新ジャンルにおけるキリンのシェアは40%ほどあったのだが、17年には30%ほどにまで低下してしまった。

サッポロも「ドラフトワン」に代わって、08年に発売した「麦とホップ」をメインブランドに移行したが、そのシェアは15%から10%に下がっていた。

アサヒ、サントリーの猛追を受けたからだ。

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