GAFAなんかに投資した神様・バフェットは大丈夫なのか?

そろそろ次の時代の投資術を探そう
大原 浩 プロフィール

過去失敗してきたバトンタッチ

「トラック問題」とは、バフェットが60歳を超えたあたりから、バフェット自身が「もしある日、私がトラックに轢かれたら、バークシャー・ハサウェイの未来はどうなるか」と「バフェットからの手紙」の中で提起し続けてきた課題である。

確かに、バフェットは投資の神様であるのと同時に、バークシャー・グループという巨大企業帝国(時価総額はトヨタ自動車の20兆円強に対して50兆円〈約4970億ドル〉以上で、世界ランキング6位である)を一代で(正確には繊維会社であるバークシャーを買収して投資会社・保険会社に変身させたので「実質的創業者」となる)築き上げた「経営の達人」とも言える。

つまり、投資の第一人者であり、なおかつGAFA創業者達に匹敵するような経営手腕を併せ持つ逸材なのである。ちなみに、時価総額の世界ランキング(2019年8月の世界時価総額ランキングによる)は、

1位:マイクロソフト(約1兆520億ドル)
2位:アップル(約9420億ドル)
3位:アマゾン(約8780億ドル)
4位:アルファベット(約8240億ドル)
5位:フェイスブック(約5290億ドル)
6位:バークシャー・ハサウェイ(約4970億ドル)

である。

 

一流の投資家であり、かつ名経営者で、さらに保険業務(バークシャーの主たる利益は保険業務によるもの)にも詳しい人物が、バフェット以外にいないであろうことは、当初から分かっていたから、複数の人間がバフェットの業務を分担して受け継ぐ手法が考えられていた。

財団の運営を含む「バフェット精神」や「バークシャーの文化の継承」そしてグループの象徴には、早い時期から長男のハワード氏が候補としてあげられ、現在ほぼ確定している。

また、保険業務については、バフェットが才能を見出し、彼の少年時代にインドでスカウトしたアジット・ジェイン氏が当初からの有力候補で、今後も変わらないであろう。

非保険事業については、色々な候補者が浮かんだが、優秀な経営者はバフェットと年齢が近い場合が多いので難航してきた。しかし、エネルギー部門出身のグレッグ・アベル氏が取締役に就任したことで、こちらも落ち着きそうだ。

問題は、「投資運用の後継者」である。これに関しては失敗の連続で、何回もバフェットが事実上の指名を行ったのに、その都度スキャンダルなどで消え去っている。

現在、トッド・コームズ氏とテッド・ウェスラー氏がバフェットとともに運用を行っており、それなりの権限移譲も行われているようだが、現在のバークシャーの投資状況を見ている限り、今回も失敗するのではないかと考えてしまう……。