9歳の子に不妊手術を…!? 被害者男性が、国家と戦う決意をした日

封印していた怒りと悲しみが蘇った
佐藤 光展 プロフィール

「このままだと、また繰り返される」

激動の1年が過ぎ、小島家は少し落ち着きを取り戻した。

「いろいろなショックと、多忙で運動不足が続いたせいで、私も足腰がすっかり弱ってしまって」と麗子さん。このままではいけないと、家の近くをほぼ毎日、1時間半ほど歩くようにした。すると1、2か月で効果が表れ、「この歳で筋肉がついてきたんですよ」と笑う。

今も優生思想がはびこる日本を変えるため、声を上げた小島喜久夫さんと妻の麗子さん

電動のシニアカーの使用が増えていた小島さんも、半分シニアカー、半分歩き、の配分で麗子さんのウォーキングに付き合い、筋力が戻って来た。夫婦はデイサービスでも運動に励んでいる。

小島さんは語る。「まだ死ねないですから。国も精神科も国民の考え方も、昔と変わったようには思えない。だからこのままだと、また同じようなことが繰り返される。私たち被害者が体験をきちんと伝えることで、歯止めをかけたいんです」。

 

障害者や異端者を問答無用で排除してきた国――そんな日本が変わることを願いながら、夫婦は今日も、ほんのり色づき始めた木々の下を歩いている。