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投資予測に「当たり屋」はいないのになぜ「はずれ屋」は存在するのか

「みんな」を排除すれば成功できる

未来は予測できない

投資の神様ウォーレン・バフェットも、経営の神様ピーター・ドラッカーも「未来は予想できない」と述べている。

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例えば、バフェットは「私には未来の予知などできない。もし、できるという人がいるのなら、私の目の前に連れてきてほしい」と、数十年前から述べているが、いまだにそのような人物は現れていない。

ドラッカーも同じように「未来は予測できない」とし、我々は「すでに起こった未来」に注目すべきだという。

「すでに起こった未来」の典型は、「人口動態」である。20年後の日本の50歳人口は、現在30歳の人口からほぼ正確に割り出すことができる。死亡率などは統計的に厳密に算出できるからだ。もちろん、大量の移民・難民で急激に人口が増加したり、逆に戦争や災害などで大幅に人口が減ることはあり得る。

しかしそれでも、歴史的に見れば人口動態は概ね予想通りに推移する。

また、テクノロジーが発明されてから、一般に普及するまでの時間は、今も昔も変わらないというのがドラッカーの主張するところである。

例えば、グーテンベルクの印刷機が発明(改良)されてから、一般に印刷機が普及するまでの期間と、コンピュータが発明されてから一般に普及するまでの期間はそれほど違わない。

革新的な発明がなされても、その発明が一般向けに実用化されるまでには数十年の歳月が必要であり、その数十年間で「すでに起こった未来」が実現していくというわけだ。

 

バフェットの場合は投資において「歪み」を利用するのが原則である。

例えば、ある企業の「本質的価値」が1株当たり1万円だとする。その株が1株5000円で売られていれば「市場が歪んでいる」と考え「割安な株」を購入する。そして、その歪みが是正されれば、市場価格も1株1万円になって収益を得ることができるというわけだ。もちろん、市場が反対方向に歪んで1万5000円になれば、さらに多くの利益を得ることができる。

バフェットのこのような投資手法は、「歪みはほぼ確実に是正される」という観点に立てば、人口動態に匹敵する「すでに起こった未来」なのである。ただし、人口動態と違って、それがいつ起こるのかはっきりとわからないから、バフェットは「投資の利益は忍耐に対する報酬だ」と述べるのだ。