香港デモ、現地各紙の「報じ方」はこんなに違う〜そこから見えること

Session-22×現代ビジネス
倉田 徹 プロフィール

荻上 見出しの部分は何と書いているんでしょうか。

倉田 「香港の地下鉄で大規模な逮捕を行っている」と。このやり方は元朗のテロ事件――これは7月21日に、白服の男たちが地下鉄にいた人たちを無差別に殴ったという事件ですけれども――その「2.0」つまりその繰り返し、別バージョンが発生してしまったということを書いてあります。

映像的な側面を考えると、今回のデモでも、鉄道の車内で人がどんどん殴られているわけで、1ヶ月前の事件(元朗事件)を思い起こさせるわけですね。前回の場合は白服の男が殴ったわけですが、今回は武装警官が殴っている、と。

逮捕者が続出した〔PHOTO〕Gettyimages

荻上 実際に今回の件を映像で見てみると、特に何でもない駅の電車から複数の武装警官が一斉におりてきて、誰か攻撃できる人を探して、とりあえずそこにいる人に的を絞って叩いた、という流れが見て取れました。不思議な動きでした。

倉田 そうですね。これについて警察は、「普通の市民の格好をしてデモ隊が紛れ込んでいるから」といった主張をしました。しかし、その場合、デモ隊と普通の市民をどうやって判別したのかが疑問になります。警察は、専門的な判断をしているのでできる、と言っているわけですが、そのあたりがデモ参加者から強く批判されている。

続いての記事は、警察官がデモ隊の中に扮装して紛れ込んでいたこと、あるいは警察官が実弾を発砲したこと、それを批判する記事ですね。

 

〈警察は「巻き添え」を食らわせている〉

荻上 海外からも注目されているという記述がありますね。

倉田 そうですね。ここで書かれているのは、イギリスの国会議員が今回のデモを視察に来た、ということですね。「デモ」という言い方をすると、これは違法行為になりますので、デモではなくて「街を歩いている」と書いてありますね。

荻上 「シティ・ウォーク」という感じですかね。実際、街中には、「8月31日には、街におでかけしよう」というチラシもありました。集会でもデモでもなく、あくまでおでかけなので、取り締まれないだろうという意味ですね。「リンゴ日報」には、「東方日報」で批判されていた人物の写真も掲載されています。

倉田 はい、こちらもジミー・ライさん。つまりこの新聞「リンゴ日報」のオーナーですので、当然好意的に書かれています。彼が、「政府の今回の大規模な行動に、恐れをなしてはいけない、恐れるな」と主張している、ということが書かれています。

荻上 さきほどと同じ放水のニュースの写真も掲載されています。こちらはどのように報じられているんでしょうか?

倉田 こちらでは、その放水を受けた人の中に、新聞記者もいることが注目されています。先ほど申しましたように、この青い水を浴びせるということは、「水を浴びた人がそこにいた」という証拠を残す意味があるわけです。ところがもちろんそのなかには、デモ隊もいるし、新聞記者もいる。記者の皆さんにも、こうやって放水がなされている、つまり警察は巻き添えを食らわせているということが指摘されているわけです。無差別だということですね。

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