2019.10.03

『サイボウズ』は社員満足度の高い「働き方改革」をなぜ作れたのか

青野慶久社長に聞いた
夏目 幸明 プロフィール

選択肢は多いほうがいい

好きな言葉は松下幸之助さんの「真剣に志を立てよ。強い思いがあれば、事は半ば達せられている」「上手く行くかどうかは、命を賭けているかどうかで決まる」というものです。

当社は創業当初こそ急成長したものの、'05年に社長が先輩から私に交代すると現場は混乱に陥りました。

 

上場して資金もあったため他の事業も進めようと9社買収し、そのほとんどに失敗。今思えば経営もワンマンで、私が社長に就任した年の離職率は28%に達しました。組織は制御不能になり、よく副社長に「社長は会社の全責任を負うんですよ。現場で起こった小さいことも元をただせば社長のせいですよ」と耳元で囁かれたものです。

起業は愛媛県松山市で行った。写真の前列が初代社長の高須賀宣氏、後列左が現取締役の畑慎也氏、右が青野氏

そんなある日、立ち寄ったコンビニでふと松下さんの本を手にとり「自分に足りないのはこれだ」と感じたのです。そして、買収も人事も、失敗したら切腹する覚悟はあったかと自分に問いました。会社が上手く行くようになったのはそれからです。

当社は今、100人いたら100通りの働き方があっていい、という考えで運営しています。離職率の高さに悩んだこと、かつ在宅ワークも可能にするグループウェアの会社ということもあり、十数年続けてきたら、人手不足、長時間労働の問題と重なり、注目をいただくようになりました。

大切なのは、一人ひとりのワガママに向き合うこと。仮に社員から「週3日しか働きたくない」と言われても、幹部が「そんなワガママな」と言った瞬間、多様性は失われます。週3日なら、労働力は60%残ってるじゃないですか(笑)。

実を言うと私は選択的夫婦別姓に関しても、これを認めてもらえるよう裁判を起こしています。多様性の実現のためです。選択肢が多い社会のほうが豊かな社会だと思い、訴訟を決意しました。

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