一方で、家を買おうか悩んでる人にかけたいのは「一刻も早く買ったほうがいい」という言葉だ。

「金利が今安いというのもあるけど、買いたいと思ってるなら絶対早く買ったほうがいい。自分で物件を選び抜く作業も貴重な体験だし、納得した家に住むのは本当に楽しいです。

アラサーの女が一人で家を買うと、周りからは「タワマンは、価値が暴落するからその買い物は失敗だよ」とか、「無理して見栄を張っても、ローンが払えなくなったら人生お終いだよ」とか、不安にさせる反応が多いんですけどーー。

でもそういう人ってより突っ込んだ話とかすると急に黙るんです。たぶん、大抵の情報元はマンション購入についてネガティブに書かれたネットの記事なんですよね。その記事の知識だけで一方的に住宅購入についてを語ってるんだなって思って。

一回でも自分でマンションを買う経験をした人は、大きな人生の選択をしようとしている人間を馬鹿にするようなことは言いません。終の住処であっても、投資であっても、高額な借金をする決断とそれを払う決断をしているワケですから。それこそみんな、自分のライフプランに真剣に向き合いますよ。

もちろん、資金計画は自分できちんと考えてください。手元には最低限度の現金を残して、コツコツ繰り上げ返済するとか。……この『最低限度の現金』というのも、人によって違っておもしろいんですよねえ」

ちなみにSさんが手元に残しているのは300万円。「不貞行為」で訴えられたときに支払う慰謝料の、一般的相場の上限だ。

好きと決めた相手をとことんサポートし、家を買うと決めたら全力で選びぬき、自分の幸せのために「ダメだ」と思ったときは潔く方向転換できる。

世間から見た一般的な幸せの基準からは大きく外れながらも、情熱的に楽しく生きているSさんの話を聞いて、私もタワーマンションを買ってしまおうか……と、心動かされた30歳なのだった。

<つづく>

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