「本当に素敵でやさしい彼氏だったんですけど……、私にとっては、一緒にいてめちゃくちゃつまらなかったんです。これまで毎日がジェットコースターのような刺激的な生活だったので。会話の受け答えもなんというか単調だし、いたって常識的な感性の持ち主だし、彼の趣味にも興味をもてなかった。

『それが夫婦の安らぎってものだよ』、『甘えんなよ』って言う人が多いだろうけど、広告・マスコミ業界にいる一癖も二癖もある人たちとのコミュニケーションに慣れてしまった私には耐えられなくて、『あぁ、そもそも畑が違うんだ』と。

自分の価値観を無視して条件だけで結婚相手を探すとこうなるんだ、というか、それ以前に、私もクセの強い側の人間で、結婚とか出産とか、夫とか子どもとかからもらえる『家庭的な幸せ』にそんなに興味がないんだとそこで思い知りました。

むしろ一点豪華主義というか、性格や条件云々よりも、才能に惚れてしまうところがあって、やっぱりそれを満たしてくれる元の不倫相手と一緒に過ごしたいなと。彼の方も価値観の違いを感じ取っていたようで、お互いに冷めてしまった結果、私が振られる形でお別れしました」

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そう割り切って不倫の道を邁進することにしたSさんは「この人と享楽的に楽しく生きていこう!」と、ふたたび彼の生活費を負担しながら同棲する暮らしへと戻った。

1ヵ月で購入に踏み切った

家を買うという選択肢が出てきたのは、交際8年目。25平米のワンルームでのふたり暮らしも次第に限界を感じ、「もっと広い家に住みたい」と思ったのがきっかけだった。

「同棲って言っても、相手がうちに転がり込んでる状態で。でもほぼうちで暮らしてるから、相手の荷物、とくに洋服がたくさん持ち込まれてるんですよ。

彼、見た目が若くて着道楽なので、かさばって重たいジャケットとかが死ぬほどあって。コイツの服の体積に部屋の何割か占められてる! って状態でした。デスクとベッドを置いたらぎりぎりの部屋だから、私が寝てる横でごはん食べたりしてるし……」

意を決して相手に引っ越しを提案したところ、「Sちゃんの好きにしたら?」と全く気のない返事がかえってきた。

「もう全然協力する気ないですよね。でも、ちょうど直属の先輩が一人で暮らしている豊洲のタワーマンションにお邪魔する機会があって、『私も海の見えるタワマンに住みたい!!!』と欲望を刺激されたところだったんです。会社でも給料のベースがかなり上がってきた時期だったのもあり、これはもう一人でマンション買っちゃおうと決意しました」