「住宅購入」が気になる

この夏、30歳の誕生日を迎えた。

結婚も出産もしていない、非常に身軽な独身ジャストサーティーである。

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さいわい友人はたくさんいるので誕生日プレゼントはいろいろもらえたし、当面独身貴族だし! と割り切って、ジュエリー、ブランドバッグ、バー通いなど、それまでは躊躇していた「贅沢」にもちょっとずつチャレンジして、浪費女子としてのレベルアップ(?)をはかろうとしているところだ。

いろんな散財に挑む気満々なのだが、何にも縛られてないからこそなかなか手を出せないものがある。

それが「住宅購入」だ。

同年代の飲み会でちらほらと話題にのぼるようになってきたけれど、独身・彼氏なしにはいまいち入りにくいのがこのトピック。

ジュエリーよりもブランドバッグよりもバー通いよりも、はるかに値のはる「贅沢品」と言える一方で、うまく価値をみきわめれば節税・投資効果がたっぷりの財テクにもなりえる、非常にスリリングな買い物だというのは、話を耳にはさむだけでもうかがい知れる。

頭金がどうのとか、DINKsにとっての予算上限とか、今の賃貸に比べてどうのとか、保活を考えてどうとか、なかなかいい物件がなくてとか、親の援助をどう引き出すかだとか、海外転勤で急いでいる人から値切ることができたとか――。

住宅購入にまつわる議論は、はたから聞いていてもとっても刺激的で戦略的なので、わたしだってその輪のなかに入ってみたいなあと思う。

実際、たぶん買おうと思えば買えなくはないのだが、やはり、しばらく独身だろうと見越した状態で家を買ってしまうと、マジで「永久に独身」のステータスが固定化してしまことになるんじゃないかという不安がある。いやそこまで結婚したいわけじゃないけど、でもなあ……とまた揺れる。

それに、いくら現実的な予算・ローン・返済計画を組んだとしても、それを一人で背負うことには、多大なプレッシャーもある。

もちろん、一人で賃貸に住み続けるほうが、結果的にはコストがかかるので、家を買ってしまうほうがよほど負担が少ない……というロジックもあると思うのだが、人間はそう簡単に割り切れないものである。

そんな風に、周囲の住宅購入トークに対してかなりの眩しさを感じながらもとくに何ら行動できずに暮らしているのだが、先日、「32歳のころ、不倫相手と暮らすために新築タワーマンションを自分名義で買い、一人でローンを組んで、今も返している」という猛者に出会った

現在35歳、大手広告代理店勤務のSさんだ。「女とお金」についての連載をしていると言ったら、快く取材に応じてくれた。