争続で家族崩壊! 兄妹冷戦を招いた父の葬儀直後の「兄の一言」

妹から突然の連絡が…
曽根 恵子 プロフィール

まったく想定外のことで、何が気に入らないのかも分からず、Sさんからすれば「なんで言うことが聞けないのか?」と妹を責める気持ちしか湧いてきません。

Sさんが葬儀の後、すぐに相続の話を切り出しのは、Sさんなりの理由もありました。

父親は遺言書を残しませんでしたので、父親の財産を分けるには話し合いをして遺産分割協議書を作成する必要があります。妹はそれほど離れたところに住んでいるわけではないのですが、それでも頻繁に行き来するわけにもいかないと思い、手間をかけないために早めに相続の手続きを進めたいと思い、葬儀の後の時間に済ませておこうと考えたのです。

しかし妹とはこれがきっかけで完全に決裂してしまいました。

 

沈黙の15年間

妹はやがて自分の権利を第三者に売却するなどという手紙を送ってきました。Sさんに対するいやがらせだと思えますが、何をするかわからない不気味さが増し、落ち着いて生活できない心境になりました。

Sさんと母親は妹の態度に激怒し、それでもなんとか説得しようと試みましたが、連絡を取っても返事はなしのつぶて。仕方なく、自宅の土地、建物は法定割合で登記をしたのです。これは遺産分割が決まったからではなく、緊急措置として、保全しておくためのものでした。

父親の財産は自宅の他に預金が数千万円ありましたが、それは母親が生前に引き出していて、自分の口座で管理をしていましたので、生活費には困ることはありませんでした。しかし、自宅が共有名義のままでは、個々の財産にできずに価値が半減してしまいます。話し合いのつかない妹の名義があることで何もできないまま15年が過ぎてしまったのです。