「私たちが運営している東金のシェルターも犬2頭と住み込みの管理人の男性が、9月16日現在も電気が通じない状態で暮らしています」と話すのは、動物保護シェルターを運営している特定非営利活動法人『ランコントレ・ミグノン』の友森玲子さんだ。

いまなお想像以上に大きな爪痕を残している、関東を直撃した台風15号。中でも千葉県では、家屋損壊だけでなく、停電復旧が思うように進まず、まだまだ不自由な生活が続いている。

「千葉県南部の状況ほど深刻ではありませんでしたが、私たちの運営している東金シェルターも停電・断水・通信の遮断などの被害に遭いました。中でも困ったのが、停電に伴い携帯電話が通じないこと。電波状況が改善しつつある被災3〜4日目あたりからやっと被害状況が入ってくるようになりました」

自らの施設が被災地となった友森さん。電気も水道も通じない状況から、動物の一時預かりシェルターとして始動するまでを、友森さんに緊急レポートしてもらった。

情報が入らない! 現地に行くべきか迷う判断

「東金にあるシェルターと連絡が取れない……!」

携帯電話もネットも停電や電波障害でダウンしているため、東金シェルターの管理人は、街中の携帯の電波が入るところまで移動し連絡をくれた。電気が落ちてしまって、保護している犬たちのためにエアコンも使えないという。

東日本大震災時に被災動物を保護するために作られた東金シェルター 写真/友森玲子

東金シェルターは都内から片道1時間半の距離にある。私は、犬たちと一緒に東京に来るように管理人の説得を試みた。しかし、少しずつ状況がよくなってきているので、大丈夫だから移動しない、という。このような災害のとき、とにかく被災地から離れてこちらに来て、とサポート側は主張しがちだが、もともと生活している地を離れたくない気持ちもわかる。さらに、動物を連れての移動は、道すがら電柱なども多く倒れている中、想像以上に大変だ。

そこで、まずは情報収集を行う事にした。東金シェルターに比較的近いエリアに住んでいて、電波が入る知人に連絡を取り、ヒアリングをした。倒木はあるものの孤立はしておらず、中心地では徐々に電気がつくようになっている場所もある。一部店舗が営業しており、弁当などは販売していないが、日用品や乾物、缶詰などは購入できるという。私は都内で仕事が終わってから、現地へ行くことも考えたが、中途半端な支援物資を持って行き、自分も連絡がつかなくなるよりも、都内でできることをしようと判断した。

このとき、東金シェルターは電気だけでなく、水道も止まっていた。しかし、比較的近くの店舗で飲料水が購入できるし、給水所で水をもらえるため、水の確保はどうにかなることがわかった。さらに、心配な暑さ問題も、天気予報で今後の気温を調べたところ、涼しくなりつつあるようだ。シェルターに預かっている2頭の犬は幸いに健康で元気な子たちなので、水をしっかり与えて、屋内での通気を良くすれば乗り越えられそうだった。

またシェルターには、芝生が青々と茂った広いドッグランもある。地面からの熱もそこまできつくない。幸いにも、シェルターの屋根も窓ガラスも被害がなかったため、電気、水道、通信の断絶だけが問題だった。「こんなサポートは必要ない?」、「この物資を送ろうか?」と相談しようとしても、相手は電波が入らないところにいる。返事は、半日以上時間がかかることもあった。