〔PHOTO〕gettyimages

ある韓国人外交官が明かした「文在寅政権と外交部の意思不疎通」

韓日関係が好転する日が来るとしたら…

韓国は、9月12日から15日まで、「秋夕」(チュソク=旧盆)の4連休だった。この休みを利用して、旧知の韓国の外交関係者に、じっくり話を聞いた。

文在寅政権の内部で、いったい何が起こっているのか。文在寅政権は、最悪と言われる対日関係をどうしようとしているのか。青瓦台(韓国大統領府)と外交部の関係は、いったいどうなっているのかーー。

以下、韓国の外交関係者が、胸の内を明かした一問一答である。

〔PHOTO〕gettyimages

「タマネギ男」強硬任命の背景

――秋夕の連休、韓国の外交担当者たちは、ゆっくり休めているのか?

「秋夕でもオフィスに電気がついているのは、権力闘争に明け暮れている青瓦台、法務部、大検察庁くらいのものだろう。われわれは幸い、何の権力も持っていないので、久々の休暇を満喫している。その間、青瓦台から命令が降ってこないので、すがすがしい気持ちでいる」

――9月9日、文在寅大統領は、「タマネギ男」こと曹国(チョ・グク)ソウル大学法学部教授を、法務長官に任命した。剥いても剥いても疑惑が出てくるから「タマネギ男」と呼ばれ、このニックネームは日本でもすっかり定着した。曹国氏の法務長官任命について、どう捉えているか?

「曹国氏が9月3日、11時間近くも記者会見を開いたり、6日に足かけ14時間に及ぶ国会の聴聞会を開いたりしている頃、われわれのオフィスでも、『彼は任命されるだろうか?』と話題になっていた。

だが実際には、私も含めて(韓国の)外交官たちは、誰もが内心、『文大統領は任命を強行するに違いない』と確信していた。それは、これまで2年4ヵ月の間、われわれは常に、青瓦台の強引な手法に従わされてきたからだ。

結果は、やはり文在寅大統領は、9日に曹国氏を強硬任命した。その際、『深く悩んだ末に決断した』と述べていた。その映像を見て、『そんなはずはないだろう』と思った。『深く悩んだ』のは、曹国氏を任命するかしないかではなくて、任命するにあたって、どんな言い訳をつけるかだったのではないか」

 

――日本から見ていると、あれだけ多くの疑惑を抱え、妻が在宅起訴までされている人物が、法務長官(法相)に任命されること自体が信じられない。ソウルでは、納得して受けとめられているのか?

「われわれのオフィスでも、正直言って、『それはないだろう』と考えている官僚が多い。口では言わなくても、ソウルの官庁街にはそういったムードが漂っている。

だが、よく考えてみてほしい。現在、曹国新法務長官について言われていることはすべて、あくまで『疑惑』であって、確定した犯罪ではない。

では確定した犯罪は、誰によって定められるかと言えば、裁判所だ。だが裁判所は現在、文在寅政権が完全に掌握している。

裁判所に被疑者を持って行くのは、検察だ。だが文在寅政権は、『検察改革』を掲げて、徹底的に検察を弱体化させようとしている。

そうなると、曹国法務長官の疑惑は裁かれるだろうか? むしろ、すべての疑惑に『無罪判決』が下されて、曹国長官が『疑惑はすべて晴れた』と、胸を張る日を迎えるのではないか」

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら