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日銀がさらなる「金利深堀り」をしても銀行収益が上がる理由

「副作用」に踊らされるな

現在、本原稿を書いているのが9月15日なのだが、今週は米国の中央銀行FRB(連邦準備制度:Federal Reserve Board)が金融政策を決定する会議“FOMC”(連邦公開市場委員会:Federal Open Market Committee)を17~18日の日程で開催する。

さらに、日本の中央銀行である日本銀行(日銀)は同じく金融政策決定会合を18~19日の日程で開催する。ともに年間予定表が決まっているが、前回は日本銀行の方が「前に」開催したが、今回はFRBの方が「前に」開催することになった。

この開催日の前後の問題は非常に重要である。1日であるが、相手の手を見てから、自身の判断ができるからである。

 

日本銀行が深堀りをしなければならない理由

今回の状況は、日本銀行が「利下げ」をせざるを得ないと分析している。

まず、日米欧といった先進国グループの一角である、欧州の中央銀行ECB(欧州中央銀行:European Central Bank)が、先週9月12日に利下げし、すでにマイナスであった金利の深堀りを行った。

続く17日から始まる米国FRBのFOMCは、トランプ大統領の強い圧力を受けている。

それに加えて、トランプの政策による米中貿易摩擦によって、米国経済の景気が悪化してきている。

FRBは中央銀行として異例であるが、「中央銀行法」で物価以上に雇用分野を重視している。おりしも先日9月6日の雇用統計では、陰りが出てきており、予想よりも低い数字が発表されていた。

このような状況下、FRBは今回のFOMCで利下げをすると筆者は分析している。

そうなると、先進国である欧州と米国が利下げをするわけで協調性の点からも、日銀は利下げをする十分な外的環境が整う。先進国では世界的に異常な低金利になる。

現在、国内で、いわゆる「マイナス金利」をさらに引き下げる「深堀り」は、表向きには、さらに景気を刺激し、物価上昇率を上げるというものである。しかし、そのように機能すると考えている向きは少ない。

日本経済の中で、最も忌み嫌っている、株価を下落させる事象に「円高」がある。その回避のためというのが、その主たる要因であろう。現在の為替(通貨)市場では、動かす要因は「金利」と「リスク」である。金利は当然であるが、金利(差)の高い方に資金が向かうことになる。

さらに、政治であろうが、地政学であろうが、株式市場の下落であろうが、とにかくリスクが高まると(思い込みであるが)「低リスク通貨」円が買われることになっている。

それゆえか、2011年の東日本大震災直後、極端な円高となり、その後、さらに上げ同年10月に、日本円の最高値1ドル=75円78銭を付けた。東日本大震災の大被害だけでなく、原発事故の収束にも時間がかかり、とにかくリスクが最高レベルになった、その影響下の事であった。

今回また、FRBが0.25%引き下げるとすると、日米の金利差は縮む、つまり、相対的に円が買われることになる。日本銀行は、0.25%は無理であるが、この部分を回避したいのである。

かつて主に行われていた為替の介入は、米国が反発、警戒しており、80円台を急激に切るような非常時以外は行うことができない。