ハリウッド史に残る「美人女優惨殺」を検死した日本人法医学者の告白

映画『ワンアポ』で話題の事件の裏側
山田 敏弘 プロフィール

次に野口は「Y」の字になるように、体を切開したーー。死因を特定していく野口による解剖の詳細については、拙著に譲りたい。解剖を終えた野口は当時、こう述べている。

「妊娠8カ月だったこともあり、胎児は完全な形に成長していた。男の子です。テートさんが死亡した後20分以内に胎児を取り出していたら、胎児の命はたぶん救うことができた可能性があります。ですが遺体が発見された時、すでにもう遅すぎた」

 

出来る限り残忍なやり方で

シャロン・テートらに対する殺人事件の裁判で、犯行には、チャールズ・マンソンの指示があったと明らかになった。そしてマンソンの殺人動機は、過去に自分が拒絶されたことへの恨みだったと判明。

どういうことかと言うと、かつてミュージシャンを目指したマンソンは、ポランスキーの前に現場となった邸宅に住んでいた音楽プロデューサーが契約をしてくれなかったと逆恨みをしていた。マンソンは犯行当時すでにこのプロデューサーがそこには住んでいないことを知っていたが、その邸宅を殺戮現場に選んだ。ただ恨みを晴らすために。

連行されるチャールズ・マンソン(Photo by gettyimages)

マンソン自身は自ら手を下さず、信者に命じて殺人をさせた。ポランスキー邸の犯行グループは、マンソンから教えられた住所に向かって、「出来る限り残忍なやり方」で皆殺しにするよう命令されていた。

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