インスタとユニクロで日本人の「おしゃれ」が変わった

「表現」から「共感」へ
米澤 泉, MB プロフィール

画一的な価値が幸せな時代じゃない

MB:一度、ドレスとカジュアルについての絵本を出そうとしたことがあるんです。出版社の編集者も乗り気だったけど、結局企画は通りませんでした。

米澤:ヨーロッパの街でそこまで変な恰好をしている人を見かけないのは、着こなしの教えが親から子に連綿と継承されているからじゃないかと思うんです。いわゆる文化資本ですね。対する日本は、洋服の歴史ってたかだか140年、女性に限って言えば100年くらいしかない。加えて、中高時代は画一的な制服しか着ないので、着こなしが学べない。

MB:制服そのものはそこまで機能的に意味があるわけじゃない。高度経済成長期はそれでもよかったんですよ。「こういうふうに上場企業に入って、いついつくらいに結婚して、ローンを組んで家を建てて……」というような一生のモデルケースができあがっていた時代だから、皆と同じ制服を着て、皆と同じスーツを着て、という画一的なスタイルに自分をはめていれば一応幸せになれた。でも今は、画一的であれば幸せになれる時代じゃない

米澤:そうですよ。今は多様性の時代で、女の子の制服がスカートかスラックスかを選べる高校も増えてきてますけど、スラックスを選んだら選んだでその子はすごく目立つでしょう。そんな中途半端なことやるんだったら、全員私服にすればいいのに。スカートを履きたくない女の子はパンツスタイルでおしゃれを追求すればいいし、毎日の私服で着回しのセンスも磨かれますから。

MB:本当に。偉い人に届くといいですね、この対談(笑)。

米澤泉×吉川稔『おしゃれ嫌い』刊行記念トークイベント
「見た目の時代から、くらしの時代へ」
日時:10月16日 19時~
会場:kudan house 九段ハウス(山口萬吉邸)
https://peatix.com/event/1313740?lang=ja