インスタとユニクロで日本人の「おしゃれ」が変わった

「表現」から「共感」へ
米澤 泉, MB プロフィール

日本の父親は息子に着こなしを教えない

米澤:長らく、日本の男性の発想する「おしゃれ」って「モテるファッション」しかなかったじゃないですか。でも今後、男性が育児をやるようになって、お父さんが授業参観に行くようになれば、「モテ」ではないけど、周りの人にそれなりにかっこいいと思われたい、周りのお母さんからも評価されたい……みたいな、今までになかったファッション需要も生まれると思います。いま30代くらいの男性はそんな願望もあるんじゃないかなと思いますね。

MB:エコの背景からクールビズを導入する会社が増えてきたことで、スーツ以外のファッションも求められていますしね。

米澤:カジュアルフライデーもありますし。

MB:カジュアルにしなきゃいけないのに、どうやってカジュアルにしていいか、わからないという男性は多いです。結局、男はファッションに対するリテラシーが培われていないんですよ。女の子はお母さんから服の良し悪しや着方を教えてもらうけど、我々男は父親から教えてもらったことがない。だからリテラシーが存在しない。

 

教育課程にファッションを

――おふたりの話を聞いていると、日本は教育課程に「ファッション」を導入したほうがいいんじゃないかという気がしてきます。特に男性は。

米澤:中学と高校が制服なのは大きいと思います。この6年間は何も考えずに制服を着ていればいいから、着回しのセンスが培われない。この場所にはこういう服がいい、といったことを考える機会が与えられない。それが大学生になって、いきなりおしゃれしないと!となって迷走する。だけど就活でスーツを着て、そのまま会社に入って、以降は何十年もスーツを着続け、定年まで行く。

つまりおしゃれに自覚的でなければならないのは、大学時代のたった4年間だけなんです。だから大学時代の4年間に流行ったスタイルを、歳をとってもずっと引きずってしまう。MBさんのファッション指南みたいな授業を、高校くらいでやったほうがいいと思います。