インスタとユニクロで日本人の「おしゃれ」が変わった

「表現」から「共感」へ
米澤 泉, MB プロフィール

もう「高齢者」という意識はない

――逆に、高齢者の「おしゃれ」はどうなのでしょうか。今後の日本社会は高齢化に拍車がかかりますし、現在の人口ボリュームゾーンである40代半ばの団塊ジュニアもどんどん歳を取る。これからの日本で「老人に服を売る」にはどういった方法が考えられるでしょうか。

米澤:70〜80年代に「an・an」や「non-no」を読んで育った女性は現在60代ですが、今は60代向けの女性誌も出ています。彼女たちは自分が「高齢者」であるという意識がありません。今40代、50代の人が60代、70代になっても同じでしょう。その気持ちをうまく汲んであげれば、彼女たちに「おしゃれ」を提案できると思います。かつて宝島社が、大人の女性に対しても「女子」という言葉を使ってファッションやライフスタイルを推したように。

宝島社の「Spring」は最新号でも「女子」を使用

MB: 自分が老人でないという気分は、男性も同じですよね。

米澤:男性のほうが60代でもバリバリ働いていますから、スーツ以外のワーキングウェアを提案してあげるといいかもしれません。

スーツを脱いだら何を着ていいかわからない

――月曜から金曜までスーツを着ている男性の中には、何十年もスーツ以外の服を全然買ってこなかったという人も多い。おじさんが土日に着る私服がひどいという話はよく聞きます。

MB:男性は結構危機感を持っていますよ。僕がやっているファッション指南のメルマガ読者は、当初から上の年代を狙っていたんですが、蓋を開けてみると思った以上に多かった。65歳で定年を迎えて、スーツを脱いだ瞬間に何着ていいかわかんなくなるんですよ

米澤:65歳か。もうちょっと早く気付けなかったんですかね。

MB:いやあ、男は毎日スーツを着ているうちは、どうでもいいやって思っちゃうんですよ。だけど、いざ定年して第二の人生となった時、自分の服装ってこれでいいのかな?って思うけど、そんなにお金もかけられない。だからユニクロでかっこよくなる方法を教えてくださいって、僕のところに駆け込み寺のようにやってくるんです。