インスタとユニクロで日本人の「おしゃれ」が変わった

「表現」から「共感」へ
米澤 泉, MB プロフィール

ミレにアルのインスタは「共感の可視化」

――米澤さんは同書で「ルブタンのハイヒールを履いていれば後ろ指をさされるかもしれないが、スニーカーなら非難されないだろう」と述べられていました。これもインスタ文化の本質が「共感の可視化」だからですね。自分をアピールしたい一方、悪目立ちして反感は買いたくない。ミレニアル世代(平成初期に生まれた世代)の特徴的気質とも言えます。

米澤:そのバランス感覚こそがおしゃれの本質という気がします。どこまでやったらトゥーマッチ(やりすぎ、過剰)になるのか、その境界線を探るという。
 
ミレニアル世代にとってファッションが「共感」するためのアイテムなのだとすると、服を所有する必要はありませんよね。時期が来たら、すぐメルカリで売っちゃえばいい。私なんかの世代だと、洋服は自己表現だし、自分の分身として思い入れもあるので、なかなか売ったりしない。でも若い子たちはすごくドライで、「1年生のときに好きだった服だけど、もう着ないから売りました」って、2年生が言う。

 

買うときにリセールバリューを気にする

MB:特に若い人は、買うときにリセールバリューを気にしますよね。最初から飽きて売ること前提で買っている。自分のバイヤー時代を思い出してみるなら、統計的に3年以上着る服ってあまりないみたいなんですよ。10年もつような服でも、3年以上着ている服はそんなにない。たしかに、服には鮮度があるし飽きるものだから、着ない服をとっておくより、リセールで回していくほうがいいんじゃないかとは思います。

米澤:とはいえ、昔買った高い服はなかなか手放せないですよ(笑)。アーカイブ的に取っておきたいというか。

MB:僕、新潟から東京に出てきて一番もったいないなと思ったのが、服の置き場所でした。クローゼットの面積だけで、家賃いくら払ってるんだろうって。新潟は土地が無尽蔵にあるから、そんなこと考えもしなかったですけど(笑)。