「適切でしょうか」
9月6日に柴山昌彦文部科学大臣(肩書きは当時/以下、柴山文科大臣)が、自身のツイッターにおいて、「大学入試英語成績提供システムの運営に関する協定書」について発言しました。2020年度から始まる大学入学共通テストにおいて、受験生は英語の試験で民間企業のテストを利用することになる予定ですが、そのテストを提供する民間の実施主体と大学入試センターが「協定」を結んだことを示すツイートです。
入試改革には疑問や批判の声が多く上がっていることもあり、同ツイートにはたくさんのリプライがつきました。その中で、私立高校の教員を名乗る方(以下、高校教員アカウント。なお当該アカウントはすでにツイッター上から削除されている)と、高校生を名乗る方(以下、高校生アカウント)による次のようなやり取りがありました。
志望している大学に受からなければ浪人する予定です。
受けるかどうか分からない予約(※)に3000円払ってくれなんて、それも落ちる前提で話すことが親に申し訳ないし、これを知らない高3生はどうなるのか、不安要素が多すぎます。」(高校生アカウント)
※大学入試英語成績提供システムで英検を利用する場合、「席数」を必ず確保するためには、予約申込(税込3000円)が必要となる。予約申し込みは2019年9月18日から始まる。また、予約申込後はキャンセルができず、返金もされない。
私の通う高校では前回の参院選の際も昼食の時間に政治の話をしていたりしていたのできちんと自分で考えて投票してくれると信じています。
もちろん今の政権の問題はたくさん話しました。笑」(高校生アカウント)
9月8日、柴山文科大臣が、この3番目と4番目のツイート両方をリツイートする形で、それぞれに「こうした行為は適切でしょうか?」「そのような行為は適切でしょうか?」とコメントしました。
その後、柴山文科大臣は、自身の「適切でしょうか」ツイートが批判的に取り上げられる(「柴山文科大臣 Twitterで高校生の政治話に疑問呈し非難殺到」)と、ツイッターで、
「(引用者注:批判には)公選法137条や137条の2の誘発につながることについて一言もコメントがない」
「学生が時事問題を取り上げて議論することに何の異論もない。しかし未成年者の党派色を伴う選挙運動は法律上禁止されている」
といった投稿で反論。これに対するさらなる疑問・批判の声が記事化されました(「高校生が友人相手に政権批判、違法ですか? 柴山文科相のツイートに波紋広がる」)。