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安倍政権の異常な情実人事…「国家の私物化」といわずして何という?

大新聞幹部を重要ポストに次々抜擢

読売新聞会長を大使に大抜擢

11日に発足した、第4次安倍再改造内閣の陰で、ある「情実人事」が波紋を呼んでいる。

政府は8月30日の閣議で、駐スイス大使に読売新聞グループ本社会長で日本新聞協会前会長の白石興二郎氏を充てる人事を決めた。政府関係者からも批判の声が上がる。

「菅(義偉)官房長官は記者会見で『人事は適材適所』と言ったが、安倍首相の意向を反映しているのが見え見えだ。前任のスイス大使は、首相の財政政策ブレーンの本田(悦朗)元内閣官房参与。それに続いて、異例の現役新聞人――しかも安倍政権に好意的な読売からの登用となれば、情実人事という以外に言いようがない。

白石氏は新元号についての有識者懇談会のメンバーであり、さらに政府が4月1日に新元号『令和』を発表した際、読売新聞は夕刊1面に安倍(晋三)首相の写真を使って大サービス。この時、他紙やテレビは菅官房長官の写真や映像を用いたため、『読売がまた安倍を持ち上げている』と話題になった。要するに、改元がらみで首相が世話になった人物を、大使に抜擢したわけだ」

 

またしても枢要な大使ポストを省外に明け渡す形になった外務省関係者は、別の観点から批判する。

「国際機関の多いスイスは重要な外交拠点ですが、安倍政権は公益度外視。生活環境がよく、給料の高いところに、覚えのめでたい人物を配したということでしょう」

スイス大使の待遇は、同国の生活水準の高さに合わせて極めて手厚く、欧米諸国ではトップクラス。英国やフランス、米国大使よりも高給だ。外務省関係者が続ける。

「本給は2000万円弱ですが、これに海外赴任する職員に支給される在勤基本手当が1200万円程度加算され、さらに配偶者手当が本給の10%ほど、200万円支給されますので、夫婦合わせて年間3400万円前後。任期は3年ですから、1億円をもらって豪勢な大使館生活を送れるというわけです」

読売と言えば、さらに気になる政府人事がある。小田尚氏のことだ。

政府は2018年1月、読売新聞グループ本社取締役論説主幹を務める同氏を、警察行政の最高管理機関・国家公安委員会の委員に抜擢した。任命権者は安倍首相。発令は同年3月であった。

警察幹部が語る。

「小田氏は、委員就任と同時に論説主幹は辞めたものの、読売に席を残して記事まで書いている。こういった立場の人物が、警察行政の監督に当たるのはいかがなものか。しかも、その記事というのがひどい」

現在、小田氏は読売新聞東京本社調査研究本部客員研究員だが、論説主幹時代から引き続いて同紙で「補助線」なるコラムを書いている。同氏がこのコラムを利用し、森友、加計学園問題をめぐってあからさまな安倍擁護を展開してきたことは記憶に新しい。