あなたが向けた嫌悪感はあなたに返ってくる

外国人、身体障がい者、セクシュアルマイノリティ……あなたが、会ったこともない多数の人に向けた嫌悪感のせいで、会ったこともない多数の人があなたに絶望や悲しみ、そして憎悪を向けていることに、気づいていますか?

それらはやがて増殖し、いつかあなたに報復するかもしれないことを、予想できていますか? 

「嫌いになる自由」を掲げて大勢の人と敵対するのは、許される・許されないの前に、単純に「危ないからやめときな」って話なんです。

法務省入国管理局が公表した平成30年末の在留外国人数によると、日本に在留している韓国人の数は、約44万9千人にのぼります。『週刊ポスト』の特集は、それだけの数の人たちの心を傷つけました。これはとても罪深いことです。

仮に、誰も彼もが「嫌いになる自由」を盾に、会ったこともない大勢の人を言葉で傷つけていると、どうなるか。無論、社会は「憎悪だらけ」になります

さっきのシミュレーションのとおり、男性も、女性も、異性愛者も、セクシュアルマイノリティも、健常者も、身体障がい者も、在留外国人も……全員が一斉に「嫌いになる自由」を掲げたとしたら。

「男が嫌い!」「女が嫌い!」「ゲイが嫌い!」「障がい者が嫌い!」「健常者が嫌い!」「外国人が嫌い!」「I hate Japanese people!!」
社会は憎悪にまみれて、大混乱です。あちこちで暴力沙汰が起き、おちおち平和な生活なんて送れなくなります。社会は、誰も差別されないことで均衡を保てるんです。

そもそも人類は、人種、国、宗教……あらゆる差別を発端に、すでに何万年もの間、殺し合ってきました。これは決して大げさな話ではなく、「嫌いになる自由」を掲げて大勢がお互いを中傷し続ければ、殺し合いの歴史は必ず繰り返されます。それが、差別の行く末です。

『週刊ポスト』の特集のように、差別主義者たちは今、議論によってなんとか差別を正当化しようとしています。SNSで「嫌いになる自由」を掲げている人たちも、またしかり。けれど、差別は決して議論だけでは終わらないのです。

差別は、議論の先に、必ず憎悪を生みます。すると、暴力が生まれます。やがて、誰かが死にます。殺されるのはあなたかもしれません。

だから、あなた自身を守るためにも、差別はしちゃいけないんです。