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文在寅の側近がついに「韓国核武装・米韓同盟破棄」を言い始めた真意

現実味を帯びてきた

もし米朝交渉が失敗すれば…

米国と韓国の政策当局者が9月、同じタイミングで「韓国と日本の核武装論」に言及した。韓国の当局者は「韓国が核武装すれば、米国との軍事同盟は必要なくなる」とも語っている。これらは、何を意味するのか。

まず、米国務省のビーガン対北朝鮮特別代表である。同氏は9月6日、ミシガン大学で講演し、キッシンジャー元国務長官との対話を紹介する形で「米国が北朝鮮との非核化交渉に失敗すれば、韓国と日本で核武装論が持ち上がる可能性がある」と指摘した(http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/09/09/2019090980027.html)。

ビーガン氏は「日本や韓国は米国の核抑止を信頼して、独自の核開発を止めた。米国が北朝鮮との非核化交渉に失敗すれば、北朝鮮がアジアで最後の核保有国ではなくなる」というキッシンジャー氏の発言を紹介した。そのうえで「国際社会はこの言葉が的中しないか、心配している」と述べた。

 

これとは別に、米国の議会調査局(CRS)も同じ6日、報告書を発表し、その中で「米国の核兵器の信頼性に疑問を抱くようになったら、同盟国は自前で核保有する誘惑にかられるだろう。中国や北朝鮮の脅威にさらされている日本や韓国は、とくにそうだ」と指摘した(https://fas.org/sgp/crs/nuke/RL32572.pdf)。

続けて、韓国の文正仁(ムン・ジョンイン)統一外交安保特別補佐官は9月8日、ロシア・タス通信のインタビューに答えて「韓国が核兵器を保有するなら、米国との同盟は必要なくなる。米国が核保有を認めるなら、地域での米国の影響力は著しく弱まるだろう」と語った(https://www.j-cast.com/2019/09/10367128.html?p=all)。

これらの発言や分析が同じタイミングだったのは、偶然かもしれない。そうだとしても、北朝鮮が非核化するかどうかは、韓国や日本の核武装問題と直結していることを物語っている。逆に言えば、米朝の非核化交渉が難航している証拠でもある。

米国の政策当局者たちは、北朝鮮との交渉が失敗に終わる可能性を念頭に入れて、そうなったら何が起きるか、を検討し始めているのだ。同時に「非核化しないと、韓国と日本は核武装するぞ」と、あらためて北朝鮮に圧力をかける意図もあったかもしれない。

「韓国や日本が核武装していないのは、米国の核抑止力を信頼しているからであり、もしも疑いを抱いたら、自前の核武装を考えるだろう」という分析は、とくに目新しいものではない。CRS報告も書いているように、専門家の間では、ほとんど常識化している。

それでも、いまのタイミングで、あらためて浮上したのは、米国と北朝鮮の非核化交渉が難航していて、日本はともかく、韓国の核武装論が現実味を帯びてきたからだろう。文補佐官の発言は、そんな見方を裏付ける。

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