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『これは経費で落ちません!』カタブツ経理の多部未華子が最高です

今期ドラマでは出色だった

NHKで放送中の「お仕事ドラマ」が反響を呼んでいる。舞台が経理部なので、巨悪と戦うわけでもないし、大事件が起こるわけでもない。ところが、一枚の領収書が極上のストーリーを紡ぎ出していくのだ。

まるで『水戸黄門』

「中小企業の経理部という地味な舞台ながらも、魅力的なキャラクターやディテールをリアルに描けています。今夏の連続ドラマの中では、群を抜いて面白い。

何より主人公の沙名子が魅力的です。相手が誰であっても、淡々と言うべきことは言う。『水戸黄門』を見た後のようなスッキリ感があります」(教育学者で明治大学教授の齋藤孝氏)

いま、ドラマ通たちがこぞって賞賛する作品がある。『これは経費で落ちません!』(NHK総合金曜22時00分~)だ。大人が楽しめるドラマとして、中高年の間で人気を集めている。

しかも、「刑事モノ」「医療モノ」ばかりを投入する民放ドラマとは毛色が違う。会社の経理部が舞台で、主人公はカタブツ女性社員なのだ。

制作がNHKということから、お堅い作品なのかと思いきやとんでもない。そのイメージとは裏腹に、笑いあり涙ありの人情ドラマが毎週繰り広げられている。

原作は青木祐子氏の同名小説シリーズで、こちらも累計50万部を超える大ヒット作だ。

「会社のルールに則り数字を合わせるのが経理の仕事です。正しく使われる分には何の問題もありません。でも、規程に反する領収書は受け取ることができません。これは経費で落ちません!」

石鹸メーカーの経理部に勤めるアラサー独身女子の主人公・森若沙名子のセリフだ。

彼女が、各部署から持ち込まれる領収書や請求書をチェックし、疑わしい伝票は徹底的に追及する。その中で、社内の疑惑や人間関係を洗い出し、さまざまな問題を解決するというストーリーだ。

 

この沙名子役を務めるのが多部未華子(30歳)。芸歴15年を超えるベテラン女優で、CMやドラマで見ない日はない。

小学5年生のときにミュージカル『アニー』を見て役者の道を志したという。'02年に大手芸能事務所にスカウトされ、本格的に芸能界に入った。

女優として大きくステップアップしたのが、弱冠20歳で朝の連ドラ『つばさ』('09年)のヒロインを務めたことだろう。老舗和菓子店の娘として生まれ、地元・川越のラジオ局の立ち上げにかかわる主人公を演じた。

朝ドラでは、世話好きで元気溢れる女の子の役を任されたが、本作で演じる役はまったく逆だ。