「死にたい」つぶやきにどう返答するか…SNSカウンセリング最前線

共感だけでは前に進めない
宮田 智基 プロフィール

一方、メリットもあります。スマートフォンを通して手のひらから繋がるSNSカウンセリングは、対面カウンセリングに比べて気軽に相談ができ、そのアクセスのしやすさが最大の強みだと言えます。また、地理的制約もありません。対面カウンセリングを受けられる施設は、都市部ほど多く、地方ほど少ないのが実情です。しかし、SNSカウンセリングは、日本全国、場合によっては全世界のどこからでも相談を受けることができます。

また、LINEの場合、友だち登録をしてくれた人達に向けて、心の健康に関する予防・啓発的情報を発信していくことも可能です。前回、「自殺対策SNS相談LINE」に、6万人を超える友だち登録があったことをお伝えしました。心理的な相談ニーズのある6万人を超える人達に、瞬時に心の健康に役立つ情報を提供することもできるのです。

 

SNSカウンセリングには、メリットもあればデメリットもあります。ある人はデメリットに注目し、「SNSでカウンセリングはできない」と言うでしょう。私は、デメリットも考慮してそれらを補う努力をしながら、むしろメリットに注目して、その強みを生かした心理支援を模索することが大切だと考えています。

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相談員の養成が急務

SNSを用いた支援活動は、私の予想をはるかに超えて、驚異的な広がりを見せています。文部科学省と厚生労働省の取り組みに加えて、深刻な児童虐待が問題視されるなか、虐待通告と相談をSNSで受ける試みが始まろうとしています。今後、ひきこもり支援、被害者支援、企業のメンタルヘルスなど、様々な領域でSNSが活用されるようになるでしょう。

こうした急速な広がりを見せるなかで、SNSカウンセラーの養成が喫緊の課題になっています。たとえ、SNSの相談窓口を開設したとしても、それに十分対応できる相談員がいなければ意味がありません。

こうした一連の流れの中で、2017年12月、「一般財団法人 全国SNSカウンセリング協議会」(以下、協議会)が設立されました。協議会では、安心・安全なSNSカウンセリングを提供できる人材を保証するために、「SNSカウンセラー認定登録制度」を開始しました。

私が所属する「公益財団法人 関西カウンセリングセンター」でも、協議会の認定を受けた「SNSカウンセラー養成講座」を定期的に開催していますが、今後、全国の様々な現場でSNSカウンセリングの技術を身につけた人材が求められるようになるでしょう。

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