『SNSカウンセリング入門ーLINEによるいじめ・自殺予防相談の実際ー』より引用

「死にたい」つぶやきにどう返答するか…SNSカウンセリング最前線

共感だけでは前に進めない

SNSならではの難しさがある

前回、SNSにあふれる「死にたい」といった若者の声を掬い上げる「SNSカウンセリング」の現状についてお話をしました。今回は、実際のSNSカウンセリング現場についてお話しできればと思います。実際の相談事例をもとに創作したSNSカウンセリングの架空事例をご紹介します。

『SNSカウンセリング入門ーLINEによるいじめ・自殺予防相談の実際ー』より引用

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相談者がSNSを利用して相談に訪れた場合、自動応答で<相談してくれてありがとう。相談員につなぎますので、はじめに学年と性別、そして相談内容を教えてもらえますか?>と尋ねます(中高生対象のSNS相談の場合)。SNSカウンセリングでは、相談者の外見や表情といった視覚的情報がない状態で、相談を始めなければなりません。そのため、最低限の情報として年齢、性別、相談内容をはじめに確認します。

 

SNSカウンセリングでは、相談の第一声が「死にたい」であることも少なくありません。相談員が<もう死にたいって、どんなことがあったんですか?>と尋ねても、「家がつらいです」という返事があるだけで、相談者の表現はあまり広がりません。

また、相談者の表現は短文のものにとどまりやすく、相談者のおかれている状況やそこで感じている気持ちなども、思いのほか表現されません。この点が、SNSカウンセリングの最も困難なポイントだと言えます。SNSカウンセリングでは、対面カウンセリングと比べて、言語的にも非言語的にも、相談者の情報量が圧倒的に少ないのです。