イギリスの政治は劣化したのか? 「EU離脱問題」の現在地

ジョンソン首相の論理矛盾に暴挙…
笠原 敏彦 プロフィール

何をやっても事態は「混迷」に

いずれにせよ、イギリスでは年内の解散総選挙は既定路線になっている。

野党側も、離脱延期が確定した後で総選挙を実施する方針で足並みを揃えているからだ。

ジョンソン首相への警戒感が、野党を結束させた結果である。

しかし、イギリスは民意を問う投票を行っても事態打開が見通せないという構造的な問題に陥っている。

 

この辺りの事情は、4月8日付の本コラム「イギリス現地取材で見えてきた、ブレグジット大混迷の元凶」に書いたので、関心のある方は読んでいただきたい。

スコットランド独立の是非を問う住民投票(2014年)、EU離脱を問う国民投票(2016年)、ブレグジット混迷の中での解散総選挙(2017年)と、どれも問題の根本的な解決になっていない。それどころか、逆に事態を混迷させているようにも見える。

振り返れば、国民投票での離脱キャンペーンを主導したジョンソン氏への反発から、保守党内の穏健派が結束し、「ABB(Anyone But Boris)=ボリス・ジョンソン以外なら誰でも」で誕生したのがテリーザ・メイ前首相だった。

そのメイ前首相が事態を悪化させてしまったブレグジット問題。ジョンソン首相はEUとの交渉に本腰を入れることで事態打開への展望を開くことができるのか。それとも事態をさらに混迷させるだけで終わるのか。

今しばらくは見守ってみたい。

ふしぎなイギリス