「羽田新ルート問題」をめぐる“日米密約”が民主主義を破壊する!

国民よ、主権者になれ!
稲垣 久和 プロフィール

国民が「主権者」になるために

筆者は、かつての成田空港での流血にまで至ってこじれた空港問題の反省を踏まえて、この計画をひとまず延期ないし凍結し、住民を含めた円卓会議を立ち上げることを提案したい。

まず、政府サイドは全体の航空行政を含めて何が国益に沿うかをていねいに説明し、中長期的に横田飛行場の一部の旅客機使用について米国と交渉開始すべきである。横田飛行場が今日に米軍横田基地として米軍管制下にあること、それ以上に首都圏を含む広範な横田空域としてそびえたって、地上はおろか上空も民間機が入り込めないでいること、日本の米軍基地と米軍人の犯罪等に日本政府が入り込めない“治外法権”の異常状態にあること、等々の自覚から始めなければならないだろう。

日本国憲法の“憲法体系”と同時に米国との日米安保条約すなわち“安保法体系”があるという二重構造の中に、戦後日本が生き続けたという現実である。

現在の日本は独立した主権国家とは言えない“対米従属”にあることを、全国民が自覚すべき時である。この問題から国民は逃げてはならない。これは「憲法九条改正」などの小さな問題以前に、より本質的で国民的な大きな問題である。

九条改憲を「小さな問題」と表現することに我慢がならない、という方々もおられるかもしれない。その通りだろう。しかし冷静に考えて欲しい。「憲法」の上に超法規的なレベルで「日米地位協定」があって自衛隊の集団的自衛権のあり方をはじめ、米軍のさまざまなレベルでの補完的働きを“闇の中”で決められてしまっているのである。

あなたがイデオロギー的に右でも左でも、まずはこの現実をよく理解した上で責任ある「賛成」「反対」の議論をすべきときであろう。日本が誇りをもった独立国家であるならば、中国大陸、朝鮮半島、そして米国との立ち位置をはっきりとさせるために、国民が主権者として熟議民主主義を通した議論を開始すべきである。

いま日本にある対外・対内政治の最大の課題がここにある、こういうことではないだろうか。