9月19日 稲荷山古墳の鉄剣に銘文が発見される(1978年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

埼玉県行田市にある埼玉古墳群(さきたま古墳群)は、9基の大型古墳からなる古墳群です。

その古墳群の1つである稲荷山古墳から出土した鉄剣に、115文字の漢字が「金象嵌(きんぞうがん)」という手法で刻まれていたことが明らかになったのは、1978年のこの日でした。この銘文が、5世紀ごろの日本古代史を明らかにする貴重な手がかりとして大きな注目を集めたのです。

【写真】稲荷山古墳稲荷山古墳

この鉄剣は1968年に発掘されたものでしたが、表面がサビに覆われていたため、そこに刻まれた文字の存在にはだれも気づいていなかったそうです。発掘から10年が経ったこの年、保存のための検査として行われたX線撮影が予想外の発見をもたらしたのです。

埼玉県立さきたま史跡の博物館展示されている稲荷山古墳鉄剣。博物館の許可のもと撮影されたもの ( photo by Public domain)

奈良国立文化財研究所がこの文字の読解に成功し、「獲加多支鹵大王(ワカタケル大王)」の名を発見しました。雄略天皇と考えられているこの大王の名前は、熊本で出土した同年代の鉄剣からも見つかっており、この時代にすでに大王の勢力が九州から関東にまで及んでいたことを示していると見られています。