もちろん仕事は大事である。しかし、その価値は子供を育てること、また子育てに限らず家族や友人と過ごすこと、一人で本を読むことなど、人生のどんな側面の価値とも比べられるものではない。その人が存在する事こそが価値の本質であり、その基本を見誤ってはいけない。男性の育児の問題は、男性自身の人生の価値観の問題、生きやすさの問題にもつながっているのだ。

日本にはこういった新しい価値観を見せてくれるロールモデルまたリーダーがまだまだ少なく、前述の小泉議員の発言にも自らが切り開くといった強い姿勢は見られない。

対して、ニュージーランドのアーダーン首相が産休明けに述べた次の言葉は印象的である。

「確かに今はまだ私のしていることは珍しく注目されます。でもいつか当たり前なことになる日が来るでしょう」

日本も政治家など影響力のある立場の人がより積極的に新しい可能性を見せていけるような社会になれば、その先には誰もが生きやすい未来が待っているはずである。そんな明るい未来に向かうためには、そのような人物が現れた時に、私たちがその勇気をくじいてしまわないよう、あたたかさを持って受け入れることがカギとなるのではないだろうか。