この傾向を生む日本との大きな違いは、やはり出産・育児に対する社会的価値の高さであると考えられる。出産・育児の社会的価値が高いので、育児に労力を使うことへの「周囲の理解」も容易に得られるし、育児に労力を使うために職場で「替えをきかせる」工夫を社会全体で前向きに行うことができているのだ。

トップの育休取得は効果絶大

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一方、日本は未だに議員が育休を取るなんてありえないとの声が多く聞かれてしまうような、男女平等に働く社会の実現など夢物語に思えてしまう現状である。しかしそんな日本でも近年、育休を取得する政治家や経営者がわずかではあるが男性にも出てきている。

例えばサイボウズの青野慶久社長は3人の子供に対しそれぞれ3度の育休を取り、社員に対しても育児を始め1人ひとりのライフスタイルに合った働き方を推奨している。これにより離職率が下がり、女性社員の数が増え、会社の経営にもプラスに影響しているとのことである。

三重県の鈴木英敬知事も就任後に育休を取得した。この効果として、就任前の2010年度にはたった1%台だった県庁内の男性の育休取得率が、知事の取得から2年たった2014年度には16.04%に急増した。もちろん県庁の業務に問題も混乱も起こっていない(鈴木知事は2016年に2度目の育休を取得している)。

鈴木知事が最初に取得した育休取得期間は3日半である。このわずか3日半の取得が、ここまで大きな効果を生むという事実はとても興味深い。このことは、日本でも空気さえ変われば、育休を含め男性の育児に関する様々な問題を前向きに解決していけるという可能性を示している。

ここで改めて確認しておきたい。男性が育休を取得したり育児に携わることは、女性や家庭のために自身を犠牲にするという話ではない