恐るべき「大倒産時代」が到来中の日本で、これから起きること

それはすでに数字にも現れ始め…
加谷 珪一 プロフィール

廃業や人手不足による倒産が急増

大倒産時代が到来する予兆はすでにあちこちで現れている。帝国データバンクの調査によると、2018年度における飲食店の倒産、休廃業・解散の件数は前年度比で7.1%増となっており、2000年度以降、最多となっている。このデータには倒産だけなく、休廃業などが含まれているところがポイントである。

形式的に倒産という形になっていなくても、客数の減少や経営者の高齢化、人手不足など、環境の悪化によって廃業を決断するケースは多い。倒産と廃業では、当事者にとっては大きな違いとなるが、マクロ的に見た場合、経済環境が悪化していることが背景なので、それほど大きな違いとはいえない。

さらにいうと、倒産や休廃業・解散の件数が大幅に増えているにもかかわらず、負債総額はむしろ減少傾向になっていることにも留意する必要がある。消費の低迷が長く続いていることから、積極的に設備投資を行う飲食店は激減しており、限られたリソースで細々と経営を続けていたケースが多かったと推察される。

 

ここに来て、それも限界となり、廃業を決断した可能性が高く、件数が増えても負債総額が増えないといういびつな状況になっている。もし銀行の融資が市場メカニズムに任されていた場合、とっくの昔に倒産もしくは廃業していた店舗が多かったと考えるべきだろう。

一方、人手不足による倒産が急増するという現象も観察されている。人手不足による倒産は年々、件数が増えており、2018年度は前年比で何と48.2%もの増加となった(同じく帝国データバンクの調査)。業種別では建設業が最多となっており、全体の3割を占める。

建設業界では深刻な人手不足から業務を遂行できず、より規模の大きい企業に身売りするケースも増えているという。中小零細の事業者を吸収する形で企業規模の拡大が進んでいるという図式だが、この動きは、大手の人件費負担を増加させる可能性がある。