恐るべき「大倒産時代」が到来中の日本で、これから起きること

それはすでに数字にも現れ始め…
加谷 珪一 プロフィール

「倒産増加」へ…あらゆる条件が整いつつある

日本は長期間にわたって消費が低迷しており、中小企業の経営環境はむしろ悪化しているが、銀行は政府の意向によって無条件で融資を継続してくれる。先行きが不透明であるにもかかわらず、資金繰りに窮することはないという、ある種のぬるま湯状態が続いていたわけだが、この状況に終止符を打つきっかけとなったのは、皮肉にも量的緩和策がもたらした異様な低金利だった。

銀行は低金利が長期にわたって継続したことで、利ざやが稼げなくなっており、メガバンク各行の収益力は大幅に低下した。手数料収入の強化や海外進出などで収益源の多角化を図ってきたが、そろそろ限界となりつつある。メガバンクは、極めて重い人件費と店舗網の維持コストに耐えられなくなり、数万人規模のリストラ計画を表明。経営体質のスリム化に乗り出した。

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地方銀行の状況はさらに厳しく、各行は規模拡大を目指して経営統合を進めている最中だ。主要行の経営統合は一段落しつつあり、今後は、統合効果を顕在化させるため、コスト削減を本格化させることになるだろう。

こうした中、今年の3月、とうとう金融庁に対する報告義務がなくなり、中小企業金融円滑化法に関するすべての施策が終了した。

 

円滑化法に関する施策が終了したことと、メガバンクが前代未聞の大リストラに乗り出したこと、そして、地方銀行の統合が一段落したことが、同じタイミングなのは決して偶然ではない。昭和から平成にかけて維持されてきた日本型金融システムがとうとう継続不可能となり、円滑化法の完全終了をきっかけに、金融庁がシステム全体の再編成に乗り出したとみてよい。

金融庁は統合した銀行が、金利引き上げなどの措置を実施しないよう貸出金利の監視を強化するとしているが、これも融資姿勢の変化を警戒した動きと捉えるべきだろう。人口が減少し、経済がシュリンクする日本においては、過剰となった企業がいよいよ市場から退出を迫られることになる。