人格が変わる、苦しい…飲まなきゃよかった、と後悔することになる薬

あなたは老親に飲ませていませんか?
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冗談のような話だが、これまで飲んできたからと、死ぬ間際まで生活習慣病の薬を飲み続けさせる病院もある。

新潟大学名誉教授の岡田正彦氏はこう話す。

「すべての医者が高齢者医療に詳しいわけではありません。高齢者がそれまで飲んでいた薬を、いつ打ち切ればいいのかを判断できる医者は多くはない。

薬をやめて、何かあったときにクレームがあっても困る。だから、死ぬ直前まで10種類もの薬を飲んでいる患者が減らないのです」

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悔いのない最期を過ごすためには、薬をやめることも必要だ。

「生活習慣病の薬は終末期まで飲んでいると必ず悪影響が出ます。高齢者は、血圧が上がったり下がったりする特徴があります。

医者は高いほうにばかり注目して、高い数値に合わせて薬を処方する。ですが、本当に危険なのは低いほうの数値なのです。血圧が急に下がると、急死するリスクが生じます。

余命の長くない人は、即刻、血圧の薬をやめるべきでしょう。特にARBやカルシウム拮抗剤といった新しい薬ほど効き目が強いから危険です」(岡田氏)

糖尿病薬も、死ぬ間際に飲んでも意味がない。

「終末期には、いままで高血糖で悩まされてきた人も、低血糖のリスクのほうが高くなります。死が近付くにつれ、人は痩せていきます。

エネルギー源として、ブドウ糖と脂肪を使い切った後、体の構成要素である筋肉をエネルギーとして使うから、骨張っていくのです。

それほどまでに、体内のエネルギー源が減っている人が、血糖値を下げる薬を飲めば、すぐに低血糖となって、最悪の場合、昏睡状態となり、死にいたります」(前出の吉澤氏)

 

生活習慣病の薬だけでなく、認知症の薬も、死の直前には必要がない。

「寝たきりになり錠剤を飲み込めなくなった人にまで、抗認知症薬を粉にして胃ろうから注入している病院もあります。

抗認知症薬には、嘔吐や脈が遅くなるなどの重大な副作用がある。衰弱した患者のなかには、実は薬の副作用のせいで亡くなっている人もたくさんいます」(前出の長尾氏)

医者の言葉を鵜呑みにすると、死ぬ間際まで薬漬けにされてしまう。ああ飲まなきゃよかったと悔いても、取り返しがつかない。老親や自分自身の幸せな最期のためには、薬を捨てる勇気も必要なのだ。