2019.09.12
# ライフ # 心理学 # ストレス

「家にいるのに帰りたい…」と感じてしまう不思議な心理の「正体」

言葉では説明しづらい“あるある”
西多 昌規 プロフィール

「居場所」としての家

もしかしたら、職場に通勤する必要のない職種、たとえば自営業や自宅オフィス、主婦なども、似たような経験をしている人がいるかもしれない。ずっと家にいるのに、「家に帰りたい」と思うタイプである。

その人の家が劣悪な環境であれば理解できるが、ツイッターのレスなど見るとそうでもないようだ、自宅環境は悪くないにもかかわらず、「家に帰りたい」という気持ちになる。本人も、どうしてかはっきりわからない。

 

心理学で、「居場所」という概念がある。自分が精神的に安定して落ち着いて過ごせる場所を意味するが、不登校=学校外の居場所と関連しているため、これまで行われた研究は、主に児童・思春期を対象としている。大人の「居場所」については、明確な定義もなく、研究も乏しい。

居場所は、「個人的居場所」と「社会的居場所」とに分けられると考える。個人的居場所は、他者との関わりから離れて自分を取り戻せる場所であり、自分の部屋、家庭をいう。対して社会的居場所とは、会社や学校であり、他者との関わりを通じて自分を確認できる場所を指す。

総じて居場所とは、精神的安定と、自分のアイデンティティが確認できる場所と言える。家にいても「家に帰りたい」と思うのは、家が上記で定義する「居場所」の条件を満たしていない可能性がある。この場合の帰りたい「家」は、自分が精神的に落ち着くことができ、存在を確かめることのできる「想像上」の家なのかもしれない。

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